W杯代表を含むサッカーの指導者講習会受講者が全日本女子チームの練習に体験参加【2009年9月15日】



 日本サッカー協会の公認S級コーチ養成講習会が9月14日、東京・味の素トレーニングセンターで、異種競技トレーニングの一環としてレスリングの全日本女子チームの練習に体験参加。吉田沙保里選手(ALSOK綜合警備保障)とサッカー元日本代表選手が城彰二氏(1998年ワールドカップ出場)がマットの上で“対決”した。

 同協会のS級ライセンスとは、Jリーグの監督などの指導者になれる資格。受講者の23名の中には、元Jリーガーも数名。この日は栄和人・女子強化委員長による1時間の座学講座の後、場所をレスリング場に移して約1時間半の実践トレーニングを行った。女子メンバーは、世界選手権を来週に控えたメンバーも全員そろって豪華な顔ぶれ(右写真)

 レスリングの練習は、アップと言えども基礎体力を十分に使う内容になっている。序盤は前転・後転などの簡単なマット運動だったが、前方ローリングやバック転など高度なメニューになると、ポーカーフェースでこなす女子チームに対して、サッカーS級ライセンス受講者たちは、苦笑いしながらも必死にメニューをこなした。

 最後の30分は、レスリングの打ち込み練習を実践。世界9連覇を狙う吉田沙保里に最初に挑戦したのは、元日本代表で現在はテレビ解説もやっている城氏。「現役より12kg太った」と、83kgの巨体で吉田に立ち向かったが、吉田は約30kgのハンディをものともせず世界チャンピオンの実力を発揮。城氏は簡単にテークダウンされてしまった。

 城氏は、昨年の北京五輪はテレビ局の仕事で現地でレスリング女子の試合を観戦。「吉田選手の金メダルの瞬間も見ました」と、この合同練習を楽しみにしていたという。「将来は海外で指導者をやってみたい」と話した城氏。「科学トレーニングも大切だが、栄監督の精神論の話を聞いて、自分たちのサッカー界に欠けていることだと認識した」と話した。実技で体験したマット運動などは、「サッカーにも取り入れたい」、と異種競技の体験をプラスに感じたようだ。
 
 一方の吉田も、「サッカーや野球は大好き。テレビでやっていると必ず見てしまいます」と、城氏と“対戦”できたことがうれしそう。「サッカー選手は足腰がしっかりしている。タックルに入ったとき、足が太くて腰が重かった」と話し、世界選手権の最終調整にいい練習になったようだ。

 同企画の責任者である日本サッカー協会技術員指導養成ディレクター・大野真氏は「高田専務理事がぜひどうぞと声をかけてくださったおかげで、実現した。機会があったら、また練習にお邪魔したい」と話した。

(文・撮影=増渕由気子)

サッカー指導者からのタックルを受ける吉田沙保里。 レスリングの必修練習に挑むサッカーの指導者。 女子の世界選手権代表チームの練習を熱心に見学。 サッカーW杯の代表だった城彰二氏と吉田沙保里。

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