甲斐友梨(アイシン・エイダブリュ)が銅メダル獲得…世界選手権第3日【2009年9月23日】



 【ヘルニング(デンマーク)樋口郁夫、撮影=矢吹建夫】世界選手権第3日は9月23日、当地で男子フリースタイル1階級と女子が行われ、女子51kg級の甲斐友梨(アイシン・エイダブリュ)が3位決定戦に進み、洪迪(中国)を下し、銅メダルを獲得した(右写真)

 甲斐は1回戦で2006年55kg級世界2位のマリヤ・エゴロバ(ベラルーシ)を破り、2回戦で欧州2位のエメセ・サボー(ハンガリー)、3回戦でアフリカ・チャンピオンのイザベレ・サンボウ(セネガル)と強豪を撃破した。しかし準決勝で、48kg級で北京五輪に出場したソフィア・マットソン(スウェーデン)に0−2で敗れ、3位決定戦へ回った。

 女子48kg級の坂本真喜子(自衛隊)は1回戦でベネズエラ選手を破ったものの、2回戦で昨年世界9位のリンゼイ・ラシュトン(カナダ)の投げ技の前に不覚を喫し黒星。ラシュトンが決勝に残れなかったため、敗者復活戦に回れなかった。

 男子フリースタイル74kg級の長島和幸(クリナップ)は、1回戦で北京五輪3位のキリル・テルジエフ(ブルガリア)戦で、第1ピリオドを取りながら1−2と逆転負け、テルジエフが決勝に残れなかったため、敗者復活戦に回れなかった。

 各選手の成績は下記の通り。


 ◎男子フリースタイル

 【74kg級】長島和幸(クリナップ)      21位=31選手出場

1回戦 ●[1−2(3-1,0-2,0-2)]Kiril Terziev(ブルガリア)

 《試合経過》第1ピリオド、長島が左脚へ片足タックル。粘られたが最後はテークダンを奪い、アンクルホールドで1点。終盤、タックルにいったところをかわされ、バックに回られて1失点。またさきを仕掛けらたが、こらえてタイムアップ。ブルガリア陣営は長島の肩が返ったとチャレンジ(ビデオチェック判定)したが、判定は変わらず、長島に1点が入った。第2ピリオド、タックルをかわしたと思った長島だが、場外に出てしまい、37秒で1失点。1分30秒にも右脚を取られ、0−2とされた。

 第3ピリオドの前半、長島がタックル。相手も返してきて長島がステップバックした時、すべったようになって1失点。中盤、長島がタックルを仕掛けたが、逆に左脚を取られてテークダウンを奪われ1失点。0−2で敗れた。

【1回戦3P】ピリオドスコア1−1のあと、勝負をかけた長島だが…。 【1回戦3P】0−1からタックルを仕掛けた長島だが、逆に左脚を取られ1失点。

 ※敗者復活戦へ回れず


 ◎女子

 【48kg級】坂本真喜子(自衛隊)     8位=25選手出場

1回戦 ○[フォール、1P0:57(F4-0)]Ommariel Valenzuela (ベネズエラ)

 《試合経過》第1ピリオド開始早々に坂本が正面タックルでテークダウン。相手の左腕をとってフォールの体勢に持ち込み、柔道の上四方固めのようにして押さえフォール勝ち。

2回戦 ●[1−2(2-0,4-6,2-3)]Lindsey Rushton(カナダ)

 《試合経過》第1ピリオド開始早々の坂本のタックルはポイントにつながらずブレーク。中盤に横から攻め、1分20秒に1点を獲得。1分45秒に相手のタックルをかわした坂本が2−0。第2ピリオドは23秒に坂本が正面タックルで1点。このあと、投げ技を受けてしまい3失点。5秒以上押さえこまれ、さらに1失点。坂本がはね返し、相手の体に乗って2点を取って3−4へ。坂本が1分34秒、回り込んで4−4としたが、このままではビッグポイントで負けになる。ローリングで勝負をかけたところ、乗られてしまって2失点。4−6でこのピリオドを落とした。

 第3ピリオド、坂本は右足を取ってテークダウンを奪い、34秒で1点を先制。しかし中盤、相手の逆転をかけた横捨て身の投げ技にかかてしまい、3失点。辛うじてフォールは逃れて再開。左足への片足タックルで1点を返したが、時間が足りなかった。

【1回戦1P】坂本は開始早々、正面タックルを仕掛けて1点を先制。 【1回戦1P】左腕を取って体を返し、上四方固めのような形でフォールを奪った。 【2回戦1P】中盤、坂本は相手の右から攻めて1点を獲得。 【2回戦3P】1−0とリードした坂本だが、横捨て身を受けてしまい3失点。

 ※敗者復活戦へ回れず。


 【51kg級】甲斐友梨(アイシン・エイダブリュ)     3位=27選手出場

1回戦 ○[2−0(1-0=2:15,1-0=2:30)]Mariya Egorova (ベラルーシ)

 《試合経過》第1ピリオド、積極的に攻めた甲斐だが、決定力に欠け0−0。クリンチの攻撃となった甲斐が、粘られながらも場外に押し出して1−0。第2ピリオドも惜しい攻撃があったが、0−0で2分間を終了。コイントスで負けてクリンチの防御となった甲斐は、相手の攻撃を粘り、30秒を耐えて1点を取った。

2回戦 ○[1−2(0-1,1-0,1-0)]Emese Szabo(ハンガリー)

 《試合経過》第1ピリオドの1分20秒、巻き投げを受けて粘った甲斐だが、最後はバックを取られて0−1。第2ピリオドの22秒、左足へのタックルでテークダウンを取って1点を取り、そのままのスコアで終了。ピリオドスコア1−1へ。

 第3ピリオド、50秒に甲斐が右足への片足タックルを決めて1点。この最少ポイントを守り切り、このピリオドを取った。

【1回戦1P】2度タックルに入った甲斐だが、ポイントにはつながらず。 【1回戦2P】クリンチで防御となった甲斐。30秒を必死に守り切る。 【2回戦1P】開始早々に攻めた甲斐だが、巻き投げでこのピリオドを落とす。 【2回戦2P】開始早々に左脚を取ってテークダウンを奪った。

3回戦 ○[フォール、2P1:25(1-0、F5-0)]Isabelle Sambou(セネガル)

 《試合経過》第1ピリオドの中盤、甲斐がタックルをかわしてバックを取り、1点を獲得。このポイントを守った。第2ピリオドも53秒に回り込んで1点を先制。中盤、タックルから一気に押さえこみ、フォール勝ちした。

準決勝 ●[0−2(0-3,0-2)]Sifia Mattson(スウェーデン)

 《試合経過》第1ピリオド30秒、左脚を取られた甲斐が1失点。さらにテークダンを奪われて1点を失い、立ち上がって反撃を試みたが、場外に出されて1失点。0−3でこのピリオドを落とした。第2ピリオド序盤、相手のすくい投げのような投げをぎりぎりでこらえた甲斐だったが、最後は力尽き、49秒で1失点。終了間際に甲斐が右足を取って攻め、尻もちをつかせたがポイントにはならず終了。日本陣営はチャレンジ(ビデオチェック要求)したが、裁定は覆らず、相手に1点が入った。

【3回戦1P】相手のタックルをかわし、回り込んで甲斐が1点を先制。 【3回戦2P】中盤、タックルから一気に押さえこみ、甲斐が快勝。 【準決勝1P】第1Pは防戦一方で攻撃できなかった甲斐。 【準決勝2P】0−1で迎えた終盤、、

3位決定戦 ○[フォール、1P1:38(F3-0)]Di Hong(洪迪=中国

 《試合経過》第1ピリオド前半、甲斐が右足を取ってテークダウンを奪い、体をマットの上で返して一気にフォールの体勢へ。なかなか両肩をつかせることができなかったが、最後はがっちりと押さえこみ、フォール勝ち。

【3決戦1P】開始から積極的にいった甲斐。低いタックルで突破口。 【3決戦1P】相手を倒すと、一気にフォールを狙って攻める。 【3決戦1P】ニアフォールに追い込んでから手こずったが、最後はしっかりフォール。 【3決戦1P】堂々としたフォール勝ちで、初出場で銅メダル。

【3決戦1P】マットを降り、応援席にあいさつしながら、控室へ。 【表彰式】チャンピオンのマットソンを中心に、記念撮影。

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