【特集】元世界王者相手に善戦も、反省の言葉…男子グレコローマン96kg級・北村克哉(FEG)【2009年9月日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 96kg級の北村克哉(FEG)は2006年世界王者のヘイキ・ナビ(エストニア)が初戦の相手。身長194cmの大型選手で、開始直後は防戦一方だった北村だが、フットワークを使って序盤の爆発的な攻撃をしのぎ、第1ピリオドのグラウンドを耐え、このピリオドを先取して後半に勝負をかける展開。最終的に殊勲は逃したが、練習の成果を十分に出せた内容だった。

 「勝てた試合だね?」という問いに、「第2ピリオドにポイントを取られてしまっては…」と答え、「善戦しても、勝ちにつなげられなかったのですから、ふがいない試合でした」と自己に厳しく振り返った。「勝ったら自信になったけど、負けたから何も言えない」ときっぱり。

 第3ピリオドのグラウンドの攻撃では、ガッツレンチで明らかに相手は場外へ逃避していた。0点と判定された時は、日本陣営はチャレンジ(ビデオチェック判定)で抗議。判定は覆らなかったが、場外逃避の警告をとってもおかしくないケース。元世界王者を瀬戸際まで追い詰めた試合だった(右写真=警告だとアピールする北村)

 しかし、そのシーンについても「相手の体を浮かして(ガッツレンチを)仕掛けなければならないが、うまくずらされた」と、自分の技術上の未熟さが決まらなかった原因と厳しく分析。善戦では満足できない、してはならないという姿勢を貫いた。

 それでも外国選手のパワーに対抗できる試合ができ、「やってきた成果は、ちょっとは出せたと思う」。反省だらけの中にも一筋の光明はあった様子。3年ぶりの世界選手権で、試合が始まるまでは緊張しっぱなしだったそうだが、始まると「思い切りやろう」と開き直ることができた。これらの経験をもとに「今後の練習方法をしっかり考えたい」と振り返った。


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