【特集】昨年勝った相手にリベンジされる…男子グレコローマン120kg級・新庄寛和(自衛隊)【2009年9月28日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 120kg級の新庄寛和(自衛隊)は、同じアジアのヌルベク・イブラギモフ(キルギス)が初戦の相手。2008年アジア選手権の初戦でも闘っており、その時は2−1(@L-1,0-2,2-1)で勝っていた相手だ。今回は第1・2ピリオドともスタンド戦は0−0と互角。グラウンド攻防の差が勝敗を分けてしまった。

 「去年のアジア選手権で勝っている相手。勝てる相手だし、勝つ気持ちで向かっていたが…」。持ち上げる技などない選手なので、グラウンドではガッツレンチで攻めてくることは予想していたが、わき腹をがっちりと極められ、「体をずらすことができなかった」と悔やんだ

 自らのガッツレンチは、腕のパワーでマットをしっかりと張られ、回転させてもらえなかった。「スタンドで攻撃できていれば…。0−0で終わってはダメです」。昨年のアジア選手権ではスタンドの猛攻で警告を取り、それが決め手となって勝っただけに、スタンド戦で上回れなかったことが敗因だったようだ。

 スタンドでは「まだ手四つになってしまうことがあった」と振り返る。これでは試合が進展しないので、前に出る力をつけ、体で当たって押していける体力の技術の必要性を訴える。グラウンドの課題はガッツレンチをしっかりと決める力。

 グレコローマンの伊藤広道監督(自衛隊)は「技術は相手の方が上だと思う。動かしてバテさせ、第3ピリオドに持ち込まなければ勝ち目はなかった」と話し、スタンド戦での今一つの踏ん張りを期待。佐藤満強化委員長(専大教)は「体力アップには時間がかかる。来年は両スタイルの重量級の選手だけを集めた合宿を予定している。体力アップを徹底的にやり、もう3段階上を目指させる」と話し、重量級の強化もしっかりやっていく意向を示した。


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