吉村祥子・日本協会女子コーチ(エステティックTBC)のFILA殿堂入りを230人が祝福【2009年12月2日】



 世界V5の吉村祥子・日本協会女子強化委員会コーチ(エステティックTBC)の「国際レスリング連盟(FILA)殿堂入りを祝う会」が12月1日、都内のホテルで行われ、女子プロレスラーの井上貴子さんら1980年代に吉村コーチと女子レスリングに取り組んだ懐かしい人も数多く訪れ、快挙を祝福した(右写真=1985年のスタート直後にレスリングに取り組んだ選手が勢ぞろい)

 日本協会の福田富昭会長は、国の強化費削減に反対する日本オリンピック委員会(JOC)の緊急記者会見出席のため遅れて参加することになり、日本協会・高田裕司専務理事(山梨学院大教)が最初にあいさつ。「今の日本の女子レスリングの活躍があるのは、1980年代、90年代の女子レスリング一期生の努力があったおかげ。今はオリンピックという目標があるが、当時の選手はオリンピック種目になるかどうかのはざ間で悩みながら汗を流していた。彼女らが頑張って世界一を守ってくれたことで、今がある」と話し、その中心的な役割をになった吉村さんの功績を評価。「これからもレスリングの発展に尽力してほしい」とリクエストした。

 TBCグループ株式会社の天辰文夫代表取締役社長は「レスリングの成績だけでいただいたものではないと思う。人間的なすばらしさがあって可能なこと」と、全日本女子連盟の小野清子会長は「どんな試合でも果敢に攻め、終わったあとに最高の笑顔を見せる吉村さんの試合は印象に残っている。(デンマークでの)受賞式は晴れ着で出席され、日本人の心や伝統文化を大切にしてくれた」と、それぞれ評した。

 吉村コーチは「多くの人に支えられて私がここにいる。これからも、これまでの財産を同じ夢を持つ人たちに伝えていきたい」と謝意を述べ、在籍していた代々木クラブでレスリングを始めた浜口京子選手(ジャパンビバレッジ)が「あこがれの先輩で、今もあこがれです」とあいさつして乾杯。そのあと、現在指導しているJOCレスリング・アカデミーや代々木クラブ、東京・安部学院高の選手がアトラクションを演じて会を盛り上げた。

 遅れて到着した日本協会の福田富昭会長は「事業仕分けによるスポーツ予算の削減には反対。スポーツは人を明るい方へ導く力がある」と、JOCの反対会見の続きのようなあいさつをし、その例が吉村コーチと強調した。

 同コーチは、代々木クラブの選手として日本の女子レスリングの黎明期(初め)からレスリングに取り組み、1987年の第1回世界女子選手権44kg級で銅メダルを獲得。89年の第2回大会で日本人初の世界チャンピオンに輝いた。その後、90・93〜95年にも優勝し、世界選手権10度の出場で9個のメダル(金5・銀1・銅3)を取った。

 2004年のアテネ五輪出場を目指したが、夢かなわずに選手活動を引退。現在は指導に回っている。日本人の殿堂入りは7人目で、女子では2007年に選出された浦野弥生さんに続いて2人目。世界の女子選手としては、クリスティン・ノードハーゲン(カナダ)、浦野、鐘秀娥、劉東風(ともに中国)に続き5人目。

JOCアカデミーの選手の先導でステージに上がった吉村コーチ。 「吉村コーチがあこがれ」浜口京子選手が気合十分の声で「カンパーイ!」 FILA殿堂入りの先輩の高田裕司、富山英明の両氏があいさつ。 最初はレスリングをすることに反対だった両親も、今は孝行娘に感謝。

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