【全日本選手権優勝選手】男子グレコローマン55kg級・長谷川恒平(福一漁業)【2009年12月24日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 今年、4つの国際大会で優勝した男子グレコローマン55kg級の長谷川恒平(福一漁業)が、全日本選手権3連覇で2009年を締めくくった。

 初戦の清水早伸(自衛隊)戦こそ第1ピリオドのグラウンドを守られて落としたものの、2回戦と準決勝は第1ピリオドのスタンド戦で大量得点。決勝の峰村亮(神奈川大)戦も第1ピリオドにスタンドでポイントを取り、第2ピリオドのグラウンドの防御をしっかり守るという快勝だった。

 しかし、1年を振り返ってみると、国際大会4大会優勝を手放しでは喜べない。「世界選手権でメダルを取れなかったから」だ。さらに「目標の笹本先輩(睦=60kg級)や松本先輩(慎吾=現コーチ)からは『全日本3連覇くらいで…』と言われるでしょう」とも。喜んではいられない全日本3連覇だ。

 今年世界選手権に出場して、世界で勝つことの厳しさを体で知った。勝ち上がるにつれ、試合間隔が短くなることは初体験。しかも、1回戦からぎりぎりの試合をこなさねばならない。「世界選手権で何試合も勝つことの難しさを知りました」。この課題を克服するには、もっと体力をつけ、国内の大会では失点なく圧勝続きという強さを身につけなければならない。「体力と技術を見直し、さらなる強さを身につけたい」という。

 2010年も多くの海外遠征で実力養成といきたいところ。世界選手権で強豪のロシア選手を破っているので、多くの選手の頭に「コウヘイ・ハセガワ」という選手がインプットされ、今後はあらゆる角度から研究されていることが予想される。

 しかし「まだ、研究されるレベルではないでしょう」と笑い、多くの海外遠征で外国選手との闘いに慣れる腹積もりだ。グレコローマンのエースは、来年こそ世界選手権でのメダル獲得を目指す!


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