男女の高校選手が各地で合宿スタート【2009年12月26日】



 女子の全国高校生エリート合宿が12月24日、東京・味の素トレーニングセンターで、男子のNTSブロック研修会が24日または25日に全国6ヶ所でそれぞれスタート。次代を背負う選手たちの今年最後の闘いが始まった。

 女子は48kg級で全日本3位に入賞した阿部千波(愛知・至学館高)をはじめ43選手が参加。他に、首都圏在住の選手も通いで加わり、総勢80選手近くが日本協会の栄和人女子強化委員長(中京女大)をはじめ、吉田栄勝(アイシン・エィ・ダブリュ)、木名瀬重夫(日本協会専任コーチ)、藤川健治(自衛隊)、成富利弘(東京・安部学院高教)、吉村祥子(エステティックTBC)、坂本日登美(自衛隊)の各全日本コーチの指導を27日まで受ける(右写真)

 初日のミーティングでは、「試練とは?」というテーマで各自の意見を書かせ、その後、栄委員長が自らの選手時代に経験した試練を講義。「書かせることで、よりしっかり心の中に刻まれる。また、文章も書けない選手では世間で通じない」とのもくろみからの実施。ミーティングの感想では「レスリングから逃げず、どんな試練が来ても生きたい」「常に向上心を持ち、試練を克服し、夢を追い続けられる夢追人になりたい」「これからもレスリングの道をつき通そうと思った」などといった声が寄せられ、栄委員長は「選手のモチベーションが高まってくれたと思う」と振り返った。

 練習で陣頭指揮をとった吉村コーチは「キッズ・レスリングからの経験者が多く、応用技術を教えたい選手もいるけど、基本ができていない選手も少なくない。キッズでは勝てても、世界で勝つには基本をおろそかにしてはいけない」として、主に基本技術を指導。「日本レスリング界のために、この中からベテラン選手を追い詰める選手が育ってほしい」と要望した。

 ふだんはJOCアカデミーや東京・安部学院高で中・高校生選手を指導しているが、人数はこれほど多くはない。80人もの練習はお互いに刺激しあってくれて満足そう。シニアだと、ライバル選手を意識して、ともすると手合わせを敬遠するシーンもあるそうだが、この世代の選手は「スパーリングが始まると、真っ先にライバル選手に向かっていく」とのことで、練習への姿勢に満足そうだった。

将来を期待される80選手が全日本コーチの指導を受けた(中央左が吉村コーチ)。 吉田栄勝コーチも初参加。吉田沙保里を育てた手腕が発揮されるか。 若手成長株ナンバーワンと期待される48kg級の阿部千波。 各選手にレポートを書かせた栄強化委員長。モチベーションの向上に満足そう。

 全国6ヶ所で合宿する男子は、佐藤満・男子強化委員長(専大教)ら全日本のコーチとトップ選手が各地に出向いて指導。25日には来春のJOC杯ジュニアオリンピックの予選を兼ねた試合が行われた。各地とも28日まで行われる。実施場所と派遣コーチは下記の通り(佐藤強化委員長は東海・北信越に参加)。

【北海道・東北(岩手県山田町)】 笹山秀雄、鈴木豊、大館信也(以上フリースタイル)、元木康年、葛西直人、伊藤諒(以上グレコローマン)
【関東(山梨県鳴沢村)】大沢友博、小幡邦彦、奈良部嘉明(以上フリースタイル)、飯室雅規、清水博之、倉本一真(以上グレコローマン)
【東海・北信越(静岡県東伊豆町)】小平清貴、藤本浩平、稲葉泰弘(以上フリースタイル)、久木留毅、長谷川恒平、成瀬一彦(以上グレコローマン)
【近畿(和歌山県岩出市)】田南部力、湯元進一、松本真也(以上フリースタイル)、豊田雅俊、平尾清晴、谷田昇大(以上グレコローマン)
【中国・四国(山口県光市)】井上謙二、齋藤将士、磯川孝生(以上フリースタイル)、嘉戸洋、谷岡泰幸、藤村義(以上グレコローマン)
【九州(宮崎県宮崎市)】和田貴広、清水聖志人、鈴木崇之(以上フリースタイル)、伊藤広道、城戸義貴、天野雅之(以上グレコローマン)


iモード=前ページへ戻る
ニュース一覧へ戻る トップページへ戻る