女子最軽量級の最強レスラーが日本に来日! 48kg級・チャン・クラリッサ(アメリカ)

チュン・クラリッサ

 女子レスリング世界選手権東京大会で最軽量級のチャンピオンに輝いた48kg級のクラリッサ・チャン(アメリカ)。準決勝では北京五輪銀メダリストの伊調千春(ALSOK綜合警備保障)が「最大のライバル」と言わしめた坂本真喜子(自衛隊)をストレートで破り、決勝戦第1ピリオドでもボールピックアップの不利を物ともせずポイントを奪うと、ストレートで初優勝を成し遂げた。  チュンは北京五輪にも出場している。準決勝では伊調と対戦し、第2ピリオドをクリンチ勝負でものにすると、第3ピリオドでは柔道の経験を生かした一本背負いで先制点を奪い健闘。最終的には敗れるものの、伊調を苦しめた選手の一人だ。五輪の激闘から2カ月。北京五輪のリベンジを果たしに来日し、見事初優勝した、超キュートな”黒船”に独占インタビューを行った。



――世界チャンピオンおめでとうございます。改めて今のお気持ちは?

 すごくいい気持ち。まだまだ信じられない。いままでやってきたハードトレーニングの結果が出ました。北京五輪ではメダルを獲得できなかったから、優勝して良かったです。

――北京五輪でチャン選手は日本の伊調千春選手に負けてしまいました。今大会、もう一度、日本人選手と対戦したいという気持ちはありましたか?

 はい。ベストになるにはベストの選手を破らないとね。伊調選手というよりは、日本人選手と対戦したかったです。

――北京五輪からまだ2カ月しか経っていません。五輪後の疲れはありませんか?

 オリンピックが終わってから、この世界選手権の予選がありました。疲れていましたけど、世界チャンピオンになりたかったから、頑張るしかないなと思いました。でも精神的、肉体的にも疲れましたね(笑)。

――日本開催ということがモチベーションに繋がりましたか?

 はい。私は日本が大好きです。日本のファンの前でレスリングの試合をやりたかったですね。どのスポーツでも日本のファンは素晴らしいです。

――日本が好きになったきっかけは?

 4年前のW杯で日本に来ました。私はハワイ出身の日系アメリカ人なので日本に興味がありました。実際、楽しかったし、料理が美味しかったし。大会が終わった後は、山本美憂さんのご自宅に一週間泊めてもらったんですよ。すごくいい経験でした。

――レスリングはいつから?

 16歳のときに出会いました。その前は7歳から柔道をやっていたんですよ。ハワイは女子レスリングが盛んです。もともと、ハワイは格闘技が盛んで有名ですよね。

――今後、レスリング選手としてどんなプランを描いていますか?

 レスリングは少しお休みして日本に滞在します。岐阜県で幼稚園の先生として英語を教えます。これから岐阜へ行くんですよ。 子供はキュートで、エネルギーをくれるので楽しみです。キッズレスリングも教えたいです。ほかにも日本でいろいろ経験を積みたいです。でも、来年の世界選手権には出たいですね。

(取材/増渕由気子 撮影/矢吹健夫)



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