【世界選手権特集】“世界V3”の実績で世界選手権に初挑戦…67kg級・西牧未央

sakamoto hitomi

  世界選手権に出場する7人のうち、唯一初出場となるのが67kg級の西牧未央(中京女大)だ。ただし、2005年と2006年の世界ジュニア選手権と2006年の世界学生選手権に出場しており、「世界選手権」と名のつく大会に出場したのは3度ある。その3度ともに優勝しており、他にワールドカップの代表としてジャパン・ジャージを着たのも3度。国際経験は豊富で、結果も残している。
 それでも「緊張感は全然違います」と言う。選手にとって、世界選手権というのはそれだけの重みのある大会であり、不安や緊張感から逃れられない舞台だ。まして67kg級では初めての国際大会。「外国選手は体も大きいし、力もあると思います」と、これまでにない緊張感に襲われているようだ。
 しかし「全日本選手権とジャパンビバレッジ杯をともに勝ったわけだから、67kg級の日本最強なんだよ」との声に、「そうですよね。自信を持って闘います」と笑った。67kgは日本選手がなかなか世界一になれない階級であることは知っている。68kg級が「私が風穴を開けなければ、と思っています」。初出場であるが、“3度の世界選手権優勝”の実力をフルに発揮すれば、新しい歴史を築くことは不可能ではあるまい。


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 世界選手権までの課題は、低すぎるタックルを修正すること。低いタックルは効果的なように思えるが、動きすぎてバテる面もあるのだという。かといって力のある外国選手と組み合っては不利。効果的なタックルをいかに決めることができるかが勝負のポイントになりそう。
 北京オリンピックは日本でテレビ応援した。「顔を知っている外国選手が出ていて、馨さん(伊調)が必死になって闘っていて、あの場はどれくらいすごいところなんだろう、とか思って見ていました」。テレビであっても熱狂や感動は伝わってくる。モチベーションが上がったことは確かだ。
 先輩たちからもらったエネルギーをマットの上でどう生かすか。
(文・撮影=樋口郁夫)