女子・栄和人ヘッドコーチが「攻撃レスリングを忘れるな」と訴え【2008年1月30日】







 1月28日に都内で行われた日本スポーツ大賞受賞式に吉田沙保里選手(ALSOK綜合警備保障)の恩師として出席した日本協会の栄和人ヘッドコーチ(中京女大職)は、同席した日本協会の福田富昭会長に「世界のルールの流れは返し技を有利に取るようになっているけれど、日本は攻撃レスリングを貫きたい」と伝え、「攻撃しないレスリングでは勝てない」と指導してきた福田会長もこれを受け入れた。

 今月19〜20日に中国で行われた女子ワールドカップで、吉田選手の連勝記録が返し技を受けたことが原因でストップしたことの報告を兼ねて福田会長と今後の強化指針を話し合った。吉田とマルシー・バンデュセン(米国)の試合は、4分間で吉田が4度仕掛けたのに対し、バンデュセンが仕掛けたのは第1ピリオド開始直後の1度だけ。

 返し技が決まった時は、仕掛けた側ではなく返した側にポイントが入るようになっているが、栄ヘッドコーチは「相手の技を待ってカウンター技を狙うレスリングをしていては、本当に強い選手には育たないし、競技の発展にもならない」と話す。

 自らも、1987年世界選手権にハゼル・イサエフ(ソ連)にタックル返しを受けて決勝進出を逃した苦い思いを持っているが、それでも攻撃レスリングをやめず、翌年のソウル五輪出場を果たし、1989年アジア選手権ではフリースタイルで唯一の金メダル獲得につなげている。「攻撃しないレスリングでは勝てない」と、若い選手にあらためて攻撃レスリングを訴えた。



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