男子グレコローマンの全日本チームがハンガリー遠征へ出発【2008年2月18日】







 男子グレコローマンの北京五輪代表2選手とアジア選手権代表候補選手が2月17日、成田発の航空機でハンガリーへ向かった(右写真)。タタという街でロシア、ルーマニア、韓国、スウェーデン、カザフスタン、フランス、チェコなどと合同合宿を行い 3選手は28日に帰国、五輪代表選手ら4選手は3月1〜2日にソンバトヘイで行われる「ハンガリー・グランプリ」に参加してから、3月4日に帰国する。

 伊藤広道監督(自衛隊)は、60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)と96kg級の加藤賢三(自衛隊)の五輪代表選手に関しては、「オリンピックまでの期間を逆算すると、今が練習量をしっかりこなす時期になる。合宿で技も体力もしっかり強化してほしい。また、外国選手の研究もやってほしい。攻撃に関しては、(研究されるので)自分の得意技を出すというより、自分の苦手とする攻撃に取り組んでほしい」と要望。これから五輪出場権獲得を目指す選手に対しては、「外国選手と練習をすることで実力をアップさせるとともに、出場権獲得へ向けて気持ちを高めてほしい」と話した。

 笹本は、これまでの合宿は意識して66kg級の選手とやってパワーアップをはかってきたが、今回はできるだけ同じ階級の選手とやり、「自分の技がかかるかどうかを確かめたい」という課題を掲げる。まだ1度も勝ったことがない世界3位のエウセビウ・ディアコヌ(ルーマニア)の合宿参加も予想され、気持ちはかなり乗っている様子。伊藤監督の言葉とは裏腹に、「研究されるほど強くはない。自分の技と力をすべてぶつけたい」と話した。

 それは加藤も同じで、「(得意技の)首投げを積極的に試したい。強い選手胸を借りたい」と気合十分。昨年までの2年間、重量級は遠征に帯同させてもらえない不遇を味わっており、2004年のアテネ五輪トライアルを別にすれば、加藤が冬の全日本遠征に加わるのは初めてのこと(2005年は森角裕介が参加)。「その悔しさをぶつけたい。国際経験不足を補わないといけないので、アジア選手権にも出させてもらう」と燃えている。伊藤監督がブレーキをかけるのも大変そうなほど、2人は全力投球宣言だ。

 一方、アジア選手権に照準を合わせている84kg級の松本慎吾(一宮運輸)は「俵返しが世界のトップ選手に通じるかどうかを試したい」と必殺技に磨きをかける合宿にする一方、ガッツレンチ、デフェンスと課題を掲げる。世界王者のアレクセイ・ミシン(ロシア)の合宿参加があるかどうかは分からないが、「闘ってみたい。合宿に来ていたら毎日ぶつかっていきます」と、こちらも闘志十分でハンガリーへ向かった。


 ◎合宿のみの参加選手(2月28日帰国)

 【コーチ】嘉戸洋(環太平洋大教)

 【55kg級】長谷川恒平(福一漁業)

 【74kg級】岩崎裕樹(ホテル銀水荘)

 【84kg級】松本慎吾(一宮運輸)

 ◎ハンガリー・グランプリ参加選手(3月4日帰国)

 【監督】伊藤広道(自衛隊)

 【60kg級】笹本睦(ALSOK綜合警備保障)

 【66kg級】藤村義(自衛隊)

 【74kg級】鶴巻宰(自衛隊)

 【96kg級】加藤賢三(自衛隊)

 【トレーナー】川崎淳



《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》