2007年世界選手権不出場国は五輪出場権争いから除外?…パンアメリカン選手権から【2008年3月8日】







 国際レスリング連盟(FILA)は3月7日、パンアメリカン選手権(2月29日〜3月2日)の結果をふまえて北京五輪の出場権獲得国をホームページ上で発表。男子グレコローマン120kg級は3位に入ったブラジルやベネズエラではなく7位のカナダに、男子フリースタイル120kg級は2位のブラジルではなく3位のメキシコに出場権が与えられた。

 五輪出場権獲得大会第2ステージ(各大陸選手権)で出場権獲得を目指す国は、2007年世界選手権への出場が義務付けられているために起こったことらしい。

 パンアメリカン選手権の男子グレコローマン120kg級は8選手が参加し、(1)キューバ、(2)米国、(3)ブラジル、ベネズエラ、(5)コロンビア、ニカラグア、(7)カナダ、(8)メキシコ、の順。このうち昨年の世界選手権の同級に出場した国はキューバ、米国、カナダの3ヶ国であり、キューバと米国はすでに出場権を獲得しているため、カナダが7位ながらも出場権を獲得した。

 同様に、男子フリースタイル120kg級は6カ国が出場し、(1)米国、(2)ブラジル、(3)メキシコ、キューバ、(5)カナダ、(6)プエルトリコ、の順。このうち米国とキューバは出場権を獲得済み。残る国で昨年の世界選手権に出場したのはメキシコとカナダの2ヶ国。2位のブラジルではなく、3位のメキシコに出場権がいった。

 英語による第2ステージの出場規定は、「Countries have the obligation to participate in the 2007 World Championships in order to participate in the 2008 Continental Championships. They will be able to participate in the continental Championships only in the weight categories in which they participated in the World Championships. This provision guarantees the integrity of the Continental Championships's result.」(2008年の大陸選手権に出場しようとする国は、2007年の世界選手権に出場する義務が課せられる。それらの国は、2007年世界選手権に出場した階級に限って大陸選手権に出場することができる。大陸選手権の順位は保障する)とある。

 この規定に準ずると、アジア選手権における五輪出場権獲得争いは、発表されたアジア選手権のエントリーのうち、男子グレコローマン全階級のモンゴルや台湾、韓国1階級、タジギスタン6階級、男子フリースタイルの北朝鮮1階級、タジギスタン3階級などを除いて考えることになる。

 なお、3位のどちらの選手に出場権がいくか不明だった男子フリースタイル74kg級は、FILAによると「プエルトリコ」となっているが、カナダ・レスリング協会のホームページでは、「(カナダの)マット・ジェントリーがプレーオフに勝って出場権を獲得した」となっており、FILAの間違いの可能性が高い。
(3月12日、本HPの問い合わせに対してFILAから回答があり、カナダが獲得の誤りでした)

(注)前記の出場規定は、「2008年大陸選手権に出場するためには、2007年世界選手権への出場を義務づける」とする一方で、「世界選手権へ出場しなかった国であっても、大陸選手権の順位は変わらない」と解釈でき、やや矛盾のある規定となっている。FILAの公式言語はフランス語であり、フランス語から英語へ誤訳があった場合には、今回の措置が違ってくる可能性もある。



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