女子中高生選抜チームがスウェーデンから帰国【2008年3月13日】








 スウェーデンに遠征していた女子中高生選抜チームが3月13日、スカンジナビア航空で帰国した。一行は7〜9日に「クリッパン女子国際大会」に出場し、その後、地元チームなどと2日間の合同合宿をやって帰国した。

 平井芳一団長(富山県協会=
右写真の右端)は「技は日本選手の方がうまいが、外国選手の身体能力の高さに驚いた。初めて外国選手と闘った選手も、その体力に驚いていたようだ」と話す。「今は、まだ技で上回って勝つことが多いけれど、このままでは必ず遅れをとってしまう。軽量級は差は感じられなかったが、中量級と重量級は差がある。体力づくりというレスリングの基本を、協会をあげて取り組まなければならないと思う」と振り返った。

 また、吉田沙保里選手が負けた一戦の影響ではないだろうが、返し技に活路を求める外国選手も多く、「日本国内だけで試合をやっていては世界で勝てなくなる」と、国際舞台で闘わせることの重要性を口にした。

 同じことはカデットの宮原稔監督(富山・MIYAHARA GYM)も口にする。「日本選手のスピードと技をパワーで封じられた試合が多かった。外国選手のパワーへの対策をしっかりやっていく必要がある」と言う。

 ジュニアの吉村祥子監督も「組みつかれて何もできない選手もいた。個々の選手が世界の壁を感じたことと思う。外国選手のパワーに対して、それに負けないだけのパワーをつけるのか、技で対抗するのか、そこをしっかりと決め、目標を持って今後の練習に取り組んでほしい」と話した。

■ドーピングに対する意識の低さに苦戦…ジュニア吉村祥子監督

 また、各選手に対して皮膚病やドーピングに対する意識の低さを感じたという。「たむしやヘルペスを持ったまま参加したり、薬を平気で飲んでいる選手が多かった。メディカルチェックではねられれば試合には出られない。カデットはドーピング検査を実施していなかったけど、抜き打ちでやられる場合もある。国際大会に出る選手は、成分の分からない薬を飲まないなどドーピングに関しての意識を持ってほしい」と苦言を呈した。

 最後の2日間の合宿には、シニア女子72kg級で優勝した世界V2のスタンカ・ズラテバ(ブルガリア)も参加したという。吉村監督は「(2位の)スペインの選手などをつかまえて、時間中ずっとと言っていいほど熱心にスパーリングをやっていた。レスリングに対するひたむきな姿勢はあります。単なるパワーファイターではなく、レスリングに適した筋肉を持っている。頭突き(2006年世界選手権決勝で浜口京子相手に仕掛けて優勝)だけで世界一になったわけではないと思います」と分析。

 そのうえで、北京オリンピックでのリベンジを目指す浜口京子選手に対し、「あのパワーを正面で受け止めてはダメ。腰高なので、くぐり抜けるとか、片足タックルとかで勝機を見い出せるはず」とエールを送った。


 カデット38kg級優勝・宮原優選手(富山・MIYAHARA GYM)の話「1試合ずつを集中して闘うことができました。国際大会での優勝はうれしいです。外国選手は力があったし、返し技も使ってきました。でも、常に『負けたくない』という気持ちを持って闘え、優勝することができました。もっと強くなりたい」

 
カデット52kg級優勝・浜田千穂選手(東京・ゴールドキッズ)の話「周りが力強く応援してくれ、そのおかげで優勝することができました。国際大会はアジア・カデット選手権に続いて2度目ですけど、ヨーロッパの選手は力が強いですね。自分の持ち味は技とスピードなので、それを生かしたタックルを出すことができたのがよかったと思います。この優勝で満足せず、もっと大きな大会で優勝したいと思います」

(右写真=メダルを取った各選手。左から津田香耶、鈴木美織、井手遥、鈴木綾乃、宮原優、浜田千穂、長沼美香)



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