【特集】うれしい反面、悔しい銅メダル…女子59kg級・梶田瑞華【2008年3月22日】








 全日本を制してアジア選手権に初出場した女子59kg級の梶田瑞華(中京女大)は、準決勝で世界ジュニア・チャンピオンの中国に敗れたものの、その後の3位決定戦で地元選手を破って銅メダルを獲得した(右写真=銅メダルを決めた梶田)

 初のシニアの大会が銅メダルで、その意味ではうれしいが、「悔しいという気持ちも強い」と欲の深いところを見せる。3位決定戦の第2ピリオドは途中で投げ技を受けてしまってリードされたが、ラスト25秒に3−3へ。このままならビッグポイントの差で負けてしまうが、ここであまり得意ではないグラウンド技(ガッツレンチ)で2点を挙げて逆転した。

 その要因を「優勝は無理になったけど、3位には入りたいという気持ちだと思います」と振り返った。意地のガッツレンチ−。苦手なグラウンド技の中で「唯一できる」という技が勝負どころで爆発した。

 シニアの外国選手と闘ってみて、組み手がしっかりとできない事実を感じた。「自分の組み手ができなければ外国選手には勝てません。しっかり練習してできるようになりたり。グラウンド技も必要です」と言う。

 この日、浜口京子選手が北京五輪出場を決め、アテネ五輪と同じメンバーの北京五輪代表がそろった。「今の選手が引退したら、日本は急に弱くなるみたいなこと言われています。私たちの世代が頑張らなければならないと思います」と言う。「その中心だよね」という問いに、はにかみながらもこっくりうなずいた。

 今後につながる価値ある銅メダルを手に、10月の世界女子選手権の出場を目指す。

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)



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