【JB杯優勝選手特集】67kg級・西牧未央(中京女大)【2008年4月7日】








 2001年からライバル対決を続けていた大川紀江(旧姓斎藤)、坂本襟が相次いで引退し、完全に世代交代した67kg級。2007年全日本チャンピオンの西牧未央(中京女大)、3月に行われたアジア選手権で金メダルに輝いた新海真美(アイシンAW)、柔道から転向して1年半、世界を目指す佐野明日香(自衛隊)の三つ巴の闘いに、オリンピック階級をしのぐ注目が集まった。

 第1シードの西牧は初戦の準決勝で飯島千晶(安倍学院高)を全く寄せつけず、第1ピリオド3−0、第2ピリオドは6−0のテクニカルフォールで決勝へ。反対のブロックからは新海が佐野を破って勝ち上がり、昨年12月の天皇杯全日本選手権と同じ西牧−新海の中京女大の選手による同門対決となった。

 全日本選手権に続く優勝で、10月に東京で開催される世界選手権の代表権をつかみたい西牧。全日本選手権でフォール負けを喫した後輩へのリベンジに燃える新海。お互いに手の内を知り尽くした両者の激突は淡々と進められた。第1ピリオド30秒、西牧がワンチャンスをものにし片足タックルからバックを奪って1ポイント。その後も西牧は圧力をかけ続け新海に攻め込ませず、1−0でこのピリオドを獲得した。

 続く第2ピリオド、西牧は第1ピリオドと同じく30秒に片足タックルからテークダウンを取って1ポイント。さらに終了間際、グラウンドでの攻防から新海を場外へ押し出しポイントを追加。2004年の59kg級以来の優勝を飾るととともに、世界選手権出場を決めた。

 キッズレスリング時代から“大器”と期待されてきた西牧だが、高校から大学にかけては、強豪の壁もあって結果を出せず、ジュニアでの世界チャンピオンに到達したものの、シニアでの世界選手権出場経験はない。

 初出場となる今年の世界選手権で日本初となる女子67`級金メダルを誓った。

(文=宮崎俊哉、撮影=矢吹建夫)



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