男子グレコローマンの全日本チームが合宿スタート【2008年4月20日】









 男子グレコローマンの全日本チームが4月19日、東京・ナショナルトレーニングセンター(NTC)で、北京オリンピック出場権獲得予選の最終ステージ前最後の合宿をスタート。7階級中、まだ出場権の取れていない4階級での獲得へ向けて最後の調整に入った(右写真)

 伊藤広道コーチ(自衛隊)は「出場権獲得を目指し、自分の技を磨きつつ、出場が予想される選手の研究と対策も始めたい」と話し、この合宿のあとも第1戦のローマ大会(5月9〜11日)までの残る約20日間に全力を尽くす構え。60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)ら出場権の持っている3選手も、浮かれることなく出場権獲得を目指す選手と同じだけのハードな練習に打ち込み、バックアップしてくれているのでチーム一丸となったムードがあるという。

 3月のアジア選手権(韓国)で優勝し出場権を獲得した84kg級の松本慎吾(一宮運輸)は、アジア選手権のあとは地元(愛媛県)に帰って五輪出場の報告をしたり、張り詰めていた緊張がとけたこともあって練習量を落としていたので、前回の合宿(4月6〜12日・同所)は「本当にきつかった」という。しかし、その合宿とその後の日体大での練習で心身とも元に戻り、「今回はいいコンディション。モチベーションを徐々に上げていくとともに、今は出場権を取っていない選手を全面的にバックアップしたい」と話した。

 アテネ五輪の前からチームのエースとして練習を引っ張ってきたが、ここ半年間の合宿では、五輪キップを手にしていないことでやや遠慮が見られた。本人もそれは否定しなかった。出場権を取ったことでその遠慮もなくなり、“本来の松本”が戻ってきた。チームに大きな活力がみなぎりそうだ。

 合宿は25日まで。ローマ大会に出場する日本代表選手は、この合宿の前半の練習を見たうえで、男子フリースタイルの予選でスイスへ行っている富山英明強化委員長(日大教)の帰国する22日以降に発表される予定。5月5日にローマへ向かう。

 出場権を持っている3選手は5月中旬に約2週間、韓国へ渡ってナショナルチームの練習に参加する予定。6月下旬から7月初めには欧州遠征を予定し、対外国選手対策を積むという。

2階級上の選手を相手にパワー対策をはかる84kg級の松本慎吾。 “相棒”松本の五輪出場権獲得で、相乗効果が期待される60kg級の笹本睦。 若手選手にアドバイスする96kg級の加藤賢三。五輪選手の風格が出てきた。


《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》