【特集】JOCレスリングアカデミー入校の成果を出して優勝…女子カデット40kg級・宮原優【2008年4月27日】






 今月開校したJOCレスリングアカデミー所属の女子カデット40kg級の宮原優が2試合に勝って優勝。入校直後のジャパンビバレッジ杯全日本女子選手権のスクールガールの部でも優勝しているが、“虎の穴”に入っての成果を見せる最初の大会を白星でスタートした。

 決勝の相手の木村安里(千代田ジュニア)とは、昨年は全勝だが、一昨年は全敗だったという。今回の試合は1点をめぐって厳しい闘いが続き、1−0、0−1のあと第3ピリオドへ。決勝の2分間は0−0で終了し、クリンチの攻撃権を得ての薄氷の勝利という内容だった
(右写真=決勝で闘う宮原)

「緊張して硬くなってしまった。(入校して)初めての大会だし、何度もやってきた相手なので、勝たなければ、という意識が強すぎた」という反省の一方で、新たな門出での初勝利に「うれしいです」とホッとした表情を見せた。

■「心の強さは発揮されたはず」…吉村祥子コーチ

 JOCアカデミーに入校し、練習の相手が中学生のみならず、高校生、社会人選手相手へと変わった。「練習はきついですけど、それだけ終わったあとの気持ちがいい。周りの人たちが支えてくれるので、頑張ることができます」と言う。

 練習環境だけでなく、親元から離れての生活に、日常のすべてが変わった。しかし「目標があるから寂しくありません」と話し、「もっと追い込む練習をやって体力をつけたい。第3ピリオドにもつれることなく勝てるようにしたい」と欲の深いところを見せた。

 アカデミーの吉村祥子コーチ(エステティックTBC)は「相手は減量してこの階級にかけてきた(ジャパンビバレッジ杯は44kg級に出場)。優は受けて立つしっかりしたレスリングができた」と及第点をやる一方、「課題も多くあった。これからずっと闘っていくと思われる相手。次はクリンチになることなく勝つくらいでなければダメだ」と厳しさも忘れない。

 この勝利が開校後の1ヶ月間での練習の成果というわけではないだろうが、「練習に取り組む姿勢、試合に臨む気持ち、生活面も厳しく指導しているので、心の強さは発揮されたと思う」と振り返る
(左写真=試合後、宮原にアドバイスを送る吉村コーチ)

 「JOCが全面的に力を入れてスタートさせた事業。しっかり指導して結果を出し、JOCに協力したい。アカデミーに来れば強くなれる、というふうにしたい」と続けた。



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