【特集】体重差をものともせず1階級上で優勝…男子ジュニア・フリー66kg級・小田裕之(国士大)【2008年4月28日】






 フリースタイル60kg級で2006年世界3位で、北京オリンピック代表候補の高塚紀行(日大コーチ)に昨年、公式戦で2連勝するなどルーキーとして大暴れした小田裕之(国士大2年=左写真)。今シーズンもその勢いは止まらな さそうだ。今回のJOC杯ジュニアオリンピックは66kg級に出場し、5kgほどのハンデを背負いながら危なげなく67選手参加のトーナメントを制した。

 北京五輪の予選は今が大詰めで、小田が主戦場とする60kg級は、5月2日からポーランドで行われる最終予選で湯元健一(日体大助手)が出場枠を取ってくれば、6月の全日本選抜選手権の出場者全員に五輪出場のチャンスがめぐってくる状況。逆転代表の可能性を信じて、選手たちは必死でトレーニングを積んでいる。その状況でなぜ、階級を上げたのか。

 その訳を問うと、ちょっとバツが悪そうに小田は口を開いた。「兄の結婚式があって減量できなかったんです」。兄の一生に一度の晴れ姿を祝うために行った1度切りの増量であって、今後は再び60キロ級での活躍を約束してくれた。

 60kg級の復帰戦は5月8日からの東日本学生リーグ戦の予定で、今回の増量をプラスにするつもり。その勢いで全日本選抜選手権ではシニア初優勝を狙う。湯元が代表権をとった場合、全日本選抜優勝は北京五輪挑戦権のプラチナチケットに早代わりする
(右写真=決勝で闘う小田)

 「北京五輪を狙いたい」。19歳の 小田の才能は今年開花するか−−。

(文・撮影=増渕由気子)

■小田裕之(おだ・ひろゆき)
 フリースタイル60kg級。1988年6月8日、三重県生まれ。青森・光星学院高卒。国士大学2年生。2001〜03年に全国中学生選手権3連覇を達成。身長161cm。血液型AB型




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