北京五輪予選・男子フリースタイル最終戦展望【2008年4月29日】
北京五輪の男子フリースタイル最終ステージ第2戦(最終戦)は5月2〜4日、各階級ともまだ出場権を手にしていない選手によってポーランド・ワルシャワで行われる。上位3枠を目指して行われ、日本は5階級で挑戦する。
各階級に残っている強豪を紹介する。
【60kg級】(左写真=日本代表として挑む湯元健一)
残っている強豪は2006年世界選手権2位の米国、2005年世界3位のアルメニアのほか、2007・08年に2年連続欧州3位のハンガリー、08年欧州2位のフランス、06年アジア大会優勝の北朝鮮など。
米国からは世界2位になったマイク・ザディクではなく、2005年世界学生選手権優勝のネーサン・ガリクがエントリーしている。アルメニアのベルベリャンは今年の欧州選手権20位、予選第1戦7位だが、55kg級時代に欧州チャンピオンになったこともある選手なのであなどれまい。
ハンガリーのゲルゴエ・ウォーラーは予選第1戦で高塚紀行が圧勝している。フランスのディディエール・パイスは世界選手権では上位入賞のない選手。ともに怖い相手ではなさそうだし、欧州選手権、予選第1戦と連戦しているので、別の選手が出てくる可能性もある。北朝鮮はアジア大会王者のリ・ヨンチョルではなく、全くの新人がエントリーしている。どこまでやるか。
予選第1戦を5位となって落としたのはモンゴル(マンダカナラン・ガンゾリグ)とグルジア(マルカズ・クルディアニ)。ともに今回もエントリーしている。要注意ではあるだろう。
【74kg級】(左写真=日本代表として挑む長島和幸)
欧州から9ヶ国、パンアメリカンから米国、キューバ、カナダ、アジアから2ヶ国が出場権を取っており、強豪と呼べる選手がほぼ消えている。
2005・06年の世界選手権で8位以内に入っている国で残っているのはギリシャとモルドバの2ヶ国。06年世界7位のギリシャのエムザリオス・ベンティニディスは07・08年の2年連続で欧州3位で、予選第1戦は5位とあと一歩まで迫っている。一番マークすべき選手だろう。05年世界5位のモルドバのアレクサンドル・ブルカは今年の欧州選手権12位で、予選第1戦は8位。
中国は2005年アジア王者のシ・リグレンではなく、07年アジア王者のウ・ジヤンが出てくる。今年のアジア3位のモンゴル(ドルジャバーンチグ・ゴンボドルジ)、同5位のカザフスタン(アブデュルハキム・シャピエフ)らとともに要注意選手。
【84kg級】(左写真=日本代表として挑む鈴木豊)
2005年世界3位・07年欧州2位のウクライナ(タラス・ダンコ)と2007年欧州3位のハンガリー(アルパド・リッター)が残っている。ブルガリアからは階級アップしたばかりのペトロフ・ガネフが出てくるか。
アテネ五輪74kg級2位で昨年の世界選手権84kg級12位のカザフスタンのゲンナディ・ラリエフは、予選第1戦を5位と、あと一歩で落とした。今度はどうか。
【96kg級】(左写真=日本代表として挑む小平清貴)
2006年世界3位・07年欧州2位のベラルーシ(ルスラン・シェリコフ)は今年の欧州選手権5位、予選第1戦5位と、続けざまにあと一歩で出場権獲得を逃した。今度こその思いだろうが、連戦の影響はどうか。
2005年世界5位の韓国(コー・タエヒュン)は、アジア選手権で3位同士のプレーオフの末に出場権を逃し、予選第1戦ではふるわなかった。獲得圏内の力はあるはずだが…。
ほかに、カナダ(ダビッド・ジルバーマン)が2006年世界5位、アルメニア(ルスラン・シェイコフ)が2006年欧州2位・07年欧州3位と実績を持っている。
【120kg級】(左写真=日本代表として挑む荒木田進謙)
2005年世界3位のハンガリー(オットー・ゾルト・アウベリ)、2006年世界3位のアルメニア(ルスラン・バシエフ)、今年欧州3位のアゼルバイジャン(アリ・イサエフ)、アジア選手権3位のモンゴル(チュルバト・ジャルガルサイカン)らが実績のある選手。
モンゴルとともにあと一歩で予選第1戦での出場権獲得を逃したベラルーシ(マクシム・ミカレビッチ)、欧州5位のルーマニア(ラレス・ダニエル・チントーン)などが上位進出の力がありそう。