【特集】東日本学生リーグ戦(5月8〜11日・東京)一部リーグ展望【2008年5月7日】






 東日本学生リーグ戦は5月8〜11日、東京・駒沢体育館(8・9日)と青山学院大体育館(11日)に行われる(二部リーグは10日・ナショナルトレーニングセンターと11日)。昨年は日体大が予選で1敗を喫しながらも決勝へ進み、日大を5−2で破って2年連続25度目の優勝を達成した。

 かつて日体大の“一党独裁”が続いていた学生レスリング界も、最近では群雄割拠の戦国時代。1997年に日体大の連覇が「18」でストップして以来、リーグ戦で3連覇した大学はない。日体大がその壁を乗り越え、再び黄金時代へとつなげられるか。

 各大学の戦力を分析してみた(予想されるメンバーは、本ホームページ=樋口郁夫=の予想です)。

※日程・場所 ⇒ クリック


 ◎一部Aグループ

 3連覇を目指す日体大の松本篤史(84kg級)、門間順輝(96kg級)は確実なポイントゲッターの実力持っている。追う拓大、早大も、この2人相手には黒星も想定内のことか? 日体大がこの2人以外、どこで勝利を挙げるか。

 拓大、早大とも中量級が充実しており、いずれも120kg級勝負まで持ち越したいところ。拓大は66kg級の米満達弘と74kg級の高谷惣亮、早大は60kg級の安沢薫、74kg級の大月葵斐の奮起で優勝を引き寄せたい。


 《日体大

予想されるメンバー
55kg級 石山 雄平 4年 07年インカレ3位
60kg級 前田 翔吾 3年 07年秋季新人戦優勝
66kg級 志土地翔大 3年 07年春季新人戦優勝
74kg級 山名 隆貴 2年 07年全日本選手権5位
84kg級 松本 篤史 3年 08年JOC杯優勝
96kg級 門間 順輝 4年 07年インカレ84kg級優勝
120kg級 下屋敷圭貴 4年 07年インカレ96kg級3位

 昨年のチームから55、60、96、120kg級で選手が抜けた。55kg級は石山雄平、60kg級は前田翔吾で固め、66kg級に志土地翔大、74kg級に山名隆貴を起用して2〜3勝は計算しているだろう。

 ここまでで2勝で終わっても、
門間順輝松本篤史の2人が84、96kg級に控えているので、この段階でチームの勝利を決めたいところ。

 というより、120kg級には本来96kg級の
下屋敷圭貴を起用せざるをえない状況なので、勝負を持ち越したくないというのが実情だろう。下屋敷を96kg級にそのまま起用し、門間を120kg級で使って最後のとりでとすることも考えられる。(写真は門間順輝) 


 拓 大

予想されるメンバー
55kg級 田中 秀樹 2年 07年春季新人戦5位
60kg級 内村 勇太 2年 08年JOC杯3位
66kg級 米満 達弘 4年 07年インカレ優勝
74kg級 高谷 惣亮 1年 07年高校三冠王
84kg級 金光 正浩 3年 07年秋季新人戦96kg級2位
96kg級 沖 アントニー 4年 07年インカレG5位
120kg級 藤本 健治 3年 07年大学選手権96kg級2位

 ポイントゲッターとなるのは、60kg級の内村勇太と66kg級の米満達弘、全日本選手権2位というスーパールーキーの高谷惣亮(京都・網野高卒)。あと1勝は84kg級の金光正浩、96kg級の沖アントニーのどちらかで取りたいところ。

 高谷は5月2日の北京五輪最終予選に抜ってきされ、帰国直後の試合となる。どう影響するか。

 60kg級にグレコローマンが得意の
岡本佑士を起用し、66kg級・内村、74kg級・米満、84kg級・高谷という布陣も考えられる。いずれにせよ中量級の戦力が厚く、日体大戦では60、66、74kg級を取って120kg級勝負を考えているのではないか。

 120kg級への起用が予想される96kg級の
藤本健治が、チームの勝利を決めることができるか。(写真は米満達弘)


 早 大

予想されるメンバー
55kg級 藤本 洋平 3年 07年大学選手権3位
60kg級 安沢  薫 4年 07年大学選手権3位
66kg級 松本 聖矢 3年 07年秋季新人戦3位
74kg級 武富  隆 2年 08年JOC杯優勝
84kg級 大月 葵斐 4年 07年大学選手権優勝
96kg級 浅見 哲郎 4年 06年大学選手権120kg級2位
120kg級 鈴木 啓仁 2年  

 60kg級の安沢薫、74kg級の大月葵斐の4年生が確実に勝利を挙げたいところ。大月は日体大の山名隆貴には昨年12月の全日本選手権で敗れているので、リベンジを果たしたいところ。84kg級での起用も予想され、その場合でも全勝が望まる選手だ。

 55kg級の
藤本洋平もポイントゲッターとして期待されているだろう。74kg級で起用が予想される武富隆がどこまで踏ん張れるか。

 60kg級の2年生、
松本桂、66kg級のルーキー・石田智嗣(京都・立命館宇治高卒)、同じく84kg級の新人の山口剛(岐阜・中津商高卒)と若手有望選手がそろっている。下位チーム相手の試合で起用し、レギュラー選手の体力を温存という作戦もとれそう。(写真は大月葵斐)


 ◎一部Bグループ

 昨年ブロック優勝の日大は、多くの選手が卒業し、若返ったチームで臨む。4月のJOC杯ジュニアオリンピックの上位入賞選手が多く、勢いに乗ってブロック優勝を果たしたい。

 山梨学院大は昨秋の全日本大学選手権の上位入賞者が4人おり、戦力的には日大を上回っていると思われる。大学王者で北京五輪出場にわずかな望みのつながった大沢茂樹を中心とした軽量級で試合の流れをつかめれば優勝が見えてくるだろう。

 専大は昨年から2選手が抜け、昨年より厳しい闘いをしいられそう。60kg級の小田裕之を中心に復活を目指す国士大がその間隙をぬって上位へ食い込めるか。


 《日大》

予想されるメンバー
55kg級 須藤  学 2年 08年JOC杯優勝
60kg級 紋谷 哲平 3年 06年JOC杯2位
66kg級 生天目達也 1年 07年国体少年優勝
74kg級 山縣  貢 4年  
84kg級 永田 裕城 2年 08年JOC杯2位
96kg級 内藤 光祥 3年 08年JOC杯優勝
120kg級 相沢 優人 2年 08年JOC杯2位

 60、74kg級の全日本学生王者を含め6階級で選手が抜けた。若い戦力で臨む大会となりそう。

 中心となるべき選手は4月のJOC杯ジュニアオリンピックで入賞した選手。55kg級の
須藤学と96kg級の内藤光祥が優勝し、84kg級の永田裕城と120kg級の相沢勝人が2位、66kg級のルーキー、生天目達也(茨城・霞ヶ浦高卒)と74kg級の吉崎将大が3位に入っており、リーグ戦でも使えるめどが立ったはず。

 60kg級の
紋谷哲平も昨年の団体戦を支えており、今年こそ真価を発揮したい。須藤、紋谷で2連勝してその後を楽にしたいところだ。(写真は内藤光祥)


 《山梨学院大》

予想されるメンバー
55kg級 池田 正徳 4年 07年大学選手権3位
60kg級 大沢 茂樹 4年 07年大学選手権優勝
66kg級 森川 一樹 3年 07年大学選手権3位
74kg級 関  一機 4年  
84kg級 小室 直人 3年 07年秋季新人戦74kg級優勝
96kg級 木暮 僚太 4年 06年秋季新人戦優勝
120kg級 ボリス・ムジコフ 3年 07年大学選手権2位

 60kg級全日本大学王者の大沢茂樹が中心となる。今年初めに首の治療で戦列を離れたが、それも回復したもよう。北京五輪出場権を取ってきた湯元健一(日体大助手)と互角の対戦成績を残しており、湯元を破って逆転代表を勝ち取るためにも、このリーグ戦で強さを見せつけておきたいところ。

 55kg級の
池田正徳、66kg級の森川一樹も実力をつけており、66kg級までで3勝も不可能ではないだろう。84kg級の小室直人か96kg級の木暮僚太でチームの勝利を決めたいところ。

 万が一120kg級にもつれても、
ボリス・ムジコフが控えているのは大きい。ただ、専大の荒木田進謙に対しては分が悪いので、専大戦だけは96kg級までにチームの勝利を決めなければなるまい。(写真は大沢茂樹)


 《専大》

予想されるメンバー
55kg級 浅田 好哉 3年 07年春季新人戦5位
60kg級 三浦 和也 2年 07年秋季新人戦2位
66kg級 細越 孝紀 4年 06年JOC杯3位
74kg級 上迫 博仁 3年
84kg級 鈴木 聖二 2年 08年秋季新人戦優勝
96kg級 矢野 将章 4年 07年大学G選手権2位
120kg級 荒木田進謙 3年 07年全日本選手権2位

 120kg級に全日本選手権2位の荒木田進謙が控えている。心強い戦力ではあるが、軽中量級でもう1人の柱がほしいところ。

 66kg級の
細越孝紀、84kg級で成長途上の鈴木聖二、96kg級でグレコローマンの選手だがフリースタイルも強い矢野将章らにポイントゲッターの期待がかかる。

 JOC杯74kg級で2位に入った
江藤公洋がどこまで力を伸ばしているか。(写真は荒木田進謙)



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