北朝鮮が55kg級で出場権獲得…北京五輪予選最終ステージ第2戦第1日【2008年5月3日】






 【ポーランド・ワルシャワ、ビル・メイ記者】男子フリースタイルの北京オリンピック出場権獲得予選最終ステージ第2戦(最終戦)は5月2日、当地で2階級が行われ、 55kg級決勝でヤン・キョンイル(北朝鮮)がベサリオン・ゴチャシビリ(グルジア)を破って優勝し、北朝鮮から初の五輪出場権を獲得。2位のグルジアはこれがフリーで6階級目の五輪出場となるはずだったが、120kg級で欧州選手権に優勝した選手がドーピング違反で失格となり、五輪出場権をはく奪されたので、5階級で北京五輪へ挑む。

 同級の3位同士のプレーオフでは、ペトル・トアルカ(ルーマニア)が元アジア・ジュニア王者のヌルラン・チュルベックウル(モンゴル)に勝ち、五輪出場権を獲得した。

 74kg級では31歳になる2001年欧州王者のアーメット・グルハン(トルコ)が高谷惣亮(拓大)や2004年欧州王者ら4選手を倒して決勝進出。この段階で五輪出場権獲得が決まり、トルコのフリースタイル全階級出場が決定。しかし決勝は2000年シドニー五輪69kg級銀メダリストのアルセン・ギティノフ(キルギスタン)に敗れた。

 ギティノフは、シドニー五輪はロシアから出場し、2006年6月のゴールデンGP決勝大会にもロシアから出場している。国際レスリング連盟(FILA)の規定では、国籍を変えた場合は2年間は新しい国で出場できないとなっており、この規則を適用すればこの大会には出場できないことになる。

 いくつかの国がクレームをつけたものの、FILAのラファエル・マルティニティー会長は「ノー、ということは難しい。2年の規定まであと1ヶ月ちょっと。FILAの心情を見せたい。彼のオリンピック出場の夢を断つことはしたくない」と説明し、出場を認めた。

 3位同士のプレーオフは、グルジア出身のエマザリオス・ベンティディス(ギリシャ)が勝ち、同国初の五輪出場権を獲得した。

 各階級のファイナルは下記の通り。


 ◎男子フリースタイル

 
【55kg級】=18選手出場

3位決定戦 Nurlan Turabek Ulu(キルギスタン)○[2−0(7-5,1-0)]●Ramil Rejepov(トルクメニスタン)
3位決定戦 Petru Toarca(ルーマニア)○[2−0(3-1,1-0)]●Marcin Pawlak(ポーランド)
決    勝 Yang Kyong-Il(北朝鮮)○[2−0(1-0,5-0)]●Besarion Gochashvili(グルジア)
プレーオフ Petru Toarca(ルーマニア)○[フォール、0-1=2:24,0-1]●Nurlan Turabek Ulu(キルギス)

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 【74kg級】=29選手出場

3位決定戦 Emzanos Bentinidis(ギリシャ)○[2−0(6-0,7-5)]●Richard Addinall(南アフリカ)
3位決定戦 Abdulkhakim Shapiyev(カザフスタン)○[2−0(4-0,3-2)]●Ruslan Kokaev(アルメニア)
決    勝 Arsen Gitinov(キルギス)○[2−0(4-0,3-1)]●Ahmet Gulhan(トルコ)
プレーオフ Emzarios Bentinidis(ギリシャ)○[2−0(1-0,1-0)]●Abdulkhakim Shapiyev(カザフスタン)



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