五輪予選最終章ノビサド決戦へ、男子グレコローマン・チームが出発【2008年5月20日】






 男子グレコローマンのチームが5月19日、成田発のルフトハンザ航空で北京オリンピック出場権獲得予選の最終ステージ第2戦(最終戦)が行われるセルビア・ノビサドへ向けて出発した(右写真)。5月9〜11日にイタリア・ローマで行われた第1戦では全員が1回戦黒星と惨敗。最終予選は大幅にメンバーを入れ替えて臨む。

 日本チームの先陣を切る55s級には、ベテランの豊田雅俊(警視庁)を抜擢。昨年12月の天皇杯全日本選手権では若手の長谷川恒平(福一漁業)に決勝で敗れて2位に。だが首脳陣は北京へのラストチャレンジに、アテネ五輪出場の経歴を持つ経験豊富な豊田に託した。土壇場で代表に復帰した豊田は貫録十分の表情。「やるしかないでしょ!」と気合十分だった。

 また、3月のアジア選手権(韓国)で3位に入賞し、国際舞台ででも結果を出している飯室雅規(自衛隊)は「準備はできています」と満を持してノビサドに向かった。同じくアジア選手権3位の120kg級の新庄寛和(自衛隊)も落ち着いた様子。イタリアでは2番手の中村淳志(関西)が出場し、2回とも派手に投げられてしまった。新庄は日本重量級の意地を見せられるか。

 74s級の鶴巻宰(自衛隊)のみがイタリア大会に続いて連続出場する。イタリアでは1回戦で敗退した鶴巻が、約2週間でどのように調整しているか楽しみだ。

 出発時の集合で嘉戸洋コーチ(環太平洋大教)はイタリア遠征の惨敗を踏まえて、「アテネよりも厳しい戦いになっている」と過酷な現状を選手に伝えた。それでも「全員で闘う。グレコの存在感をアピールしたい」と、JAPANのチームワークで北京五輪出場権獲得を誓った。

 昨年の世界選手権(アゼルバイジャン)から続いてきた五輪予選も、今回が最後の闘いとなる。ROAD TO BEIJINGの最終章がいよいよ始まる。
 
 日本選手の出場する日は、5月23日が55s級、24日が66s級、25日が74s級と120s級。

(文・撮影=増渕由気子)



《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》