豊田雅俊(警視庁)はプレーオフで敗れる…男子グレコローマン北京五輪予選第2戦第1日【2008年5月23日】






 【セルビア・ノビサド、ビル・メイ記者】男子グレコローマンの北京オリンピック出場権獲得予選最終ステージ第2戦(最終戦)は5月23日、セルビア・ノビサドで開幕。55kg級の豊田雅俊(警視庁)は3位となったものの、3位同士によるプレーオフで敗れ、五輪出場権を手にすることはできなかった(右写真=ラストポイントの差で五輪出場権を逃した豊田)

 豊田は初戦の2回戦で、予選第1戦5位のマリウス・ロス(ポーランド)に勝ち、3回戦でエストニア選手を破ったあと、準決勝で欧州9位のユリ・コバル(ウクライナ)に敗れた。

 3位決定戦では3月のアジア選手権8位のシャキン・ガジモフ(タジギスタン)に勝ったが、その後の3位同士のプレーオフで欧州3位のペテル・モドス(ハンガリー)に第3ピリオド、1−1のラストポイントで敗れ、あと一歩で五輪への道が閉ざされた。

 84kg級は、出場権を獲得済みで日本選手は出場していない。

 豊田の成績は下記の通り。(撮影もビル・メイ記者)


 ◎男子グレコローマン

 
【55kg級】豊田雅俊(警視庁)   18選手出場

1回戦  BYE

2回戦 ○[2−0(2-1,3-0)]Mariusz Los(ポーランド)

 《試合経過》豊田は第1ピリオド、開始から攻めて腕取りから胴タックルを決めて1−0。グラウンドの攻撃でリフト技を仕掛けて決まったかに見えたが、ビデオチェックで豊田のグリップは腰から下を攻撃していたと判断されてノーポイント(相手1点)。しかし、このあとの防御をしっかり守り2−1で先取。第2ピリオドも腕取りから胴タックル。グラウンドの攻撃で相手にエスケープされたものの、この試合3つ目の胴タックルして2−0。グラウンドの防御を守り切って、ベスト8へ進出。


3回戦 ○[2−1(1-4,2-1,@L-1)]Anar Zeinalov(エストニア)

 《試合経過》けっこうラフでエックサイト試合になった。第1ピリオドのグラウンドの攻撃で豊田が腕を噛まれ1−0。相手の攻撃はちょっとフライング気味だったが大きく変えされ、一気に1−4。日本コーチ陣が相手のステップは深すぎると抗議したものの認められない。第2ピリオド、グラウンドで豊田が最初に守って1−0。しかし攻撃ではグリップを取れずに1点のペナルチィを取られた。豊田は必死に攻め、相手が頭でブロックして豊田がペナルティの1点を取り、ピリオド・スコアは1−1。

 第3ピリオドもスタンドのポイントがなく、グラウンドは豊田の攻撃権。お互いにポイントが取れなかったがラストポイントで豊田の勝ち。


準決勝 ●[0−2(2-3,0-4)]Yuri Koval(ウクライナ)

 《試合経過》第1ピリオド、豊田が腕取りから胴タックル。場外に出して1−0。しかし、グラウンドの攻撃で相手が豊田の足の間から逃げて、豊田のうしろに立ち、バック投げを決められ、1−3から1−4へ。グラウンドの防御を守ったものの、2−4で先取された。第2ピリオド、0−0のあと、グラウンドの防御でリフトを決められ0−3。豊田の攻撃ではポイントを取れず0−4で敗れ、3位決定戦へ回ることになった。

3位決定戦 ○[2−0(2-1,6-0=1:30)]Shakhin Gasymov(タジギスタン)

 《試合経過》第1ピリオド、豊田が腕取りから胴タックル、場外に出して1−0。グラウンドの攻防は、両者ともにエスケープして守り切り、ポイントを交換して2−1で豊田がこのピリオドを先取。第2ピリオド、豊田が腕取りから胴タックルを取って、そり投げを仕掛けたものの場外の1点のみ。グラウンドの攻撃で、相手が「コーレクト・スタート」をせずに2点のペナルティで豊田が3−0。その後、ガッツレンチで5−0。持ち上げてきれいにスープレクスを投げたものの、時間の方が早かった、しかし1点をもらっ6−0で試合終了。

【三決戦1P】開始早々、豊田(青)は巧みなタックルで相手を場外へ 【三決戦1P】スタンドで休むことなく攻め続ける豊田 【三決戦2P】ローリングでポイントを加算し勝利を近づける。 【三決戦2P】スープレックスをきれいに決めた(タイムアップで0点)

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プレーオフ ●[1−2(2-1, 0-2, 1-1x)]Peter Modos(ハンガリー)

 《試合経過》20歳の欧州3位の相手に対してグラウンド戦が展開された。第1ピリオド、豊田は下からスタートで、相手のローリングに乗じて1−0。それから守り切って2−0。攻撃ではポイントを取れなかったものの、2−1でこのピリオドを先取。第2ピリオド、ボールピックアップで豊田有利のスタート。攻撃ではポイントを取れずに0−1。守り切ったら勝利のラスト30秒、相手にがぶを決められ、場外に出されて痛恨の1失点。0−2でこのピリオド終了。

 第3ピリオド、0−0のあとボールピックアップで相手の攻撃権。豊田は守って1−0。しかしラスト30秒、豊田はガッツレンチののチャンスをつくれず、最後にグリップも切れてしまって、オリンピックのキップを取れなかった。



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