【特集】得意のタックルで2年連続優勝…女子58kg級・菅原ひかり【2008年6月16日】







 昨年の58kg級チャンピオンの菅原ひかり(三重・一志)が、今年も3試合に圧勝して優勝。2年連続優勝を達成した。1回戦の第2ピリオドで1−1のラストポイントでの勝利という際どい試合をやったが、準決勝と決勝は危なげない内容での優勝(右写真は決勝=青が菅原)

 吉田沙保里選手の出身クラブ「一志」という“ブランド”もあり、楽な優勝だったと思われるが、「そんなことはありません。今回は(一志教室から)3人出て、3人で優勝することが目標。前の2人が勝ったので、絶対に勝たなければ、という気持ちでした」と話し、重圧から解放されたこともあってほほに大筋の涙が伝わった。

 だが、タックルが次々と決まるなど十分に褒められる内容の優勝であったことは間違いない。「吉田先生にタックルをしっかり教わった。3年間の総決算の大会で、タックルで勝つことができて、よかった」と、恩返しができてホッとした表情も浮かべた。

 今年3月のクリッパン女子国際大会では、ロシアとスウェーデンの選手に敗れ、世界の壁の厚さを知った。今後の課題は外国選手に勝つ強さを養うことだろう。「技では勝っていていても、力で押しつぶされて負けた。パワーをつけないと勝てないことが分かった」という。

 来年は中京女大の付属高校の愛知・至学館高校に進み、大学選手とともに練習を積むことになる。「オリンピック選手と毎日練習できることが楽しみです」と言う菅原に、試合を見ていた吉田沙保里選手は「前へ前へと出る姿勢がある。この気持ちを生かすとともに、フェイントを使えるようになれば、もっと強くなれる」と期待していた。

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



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