ドイツGP金メダルの笹本睦(ALSOK綜合警備)らが帰国【2008年6月25日】






 北京五輪代表選手を中心とした男子両スタイルの全日本チームが6月24日、遠征先のドイツから成田着のルフトハンザ航空で帰国した。当初、グレコローマンチームが早朝、フリースタイルが昼前の到着予定だったが、ルフトハンザ航空会社のストライキで現地の空港は大混乱。予定便に搭乗できず、それぞれ便を遅らせての到着となった。

 約3週間の長期遠征に加えて空港で思わぬ足止めをくらった選手の疲れはピークに達しており、選手たちはそれぞれ「ゆっくり休んでから、また頑張りたい」と口をそろえた
(右写真=数時間遅れで成田空港に到着したグレコローマン・チーム。左から笹本、松本、加藤)

 今回の遠征では、ブルガリアでの合宿のほか、五輪前最後の海外試合を経験した。帰国前に出場した「ドイツ・グランプリ」では、遠征選手の全員が表彰台に上がり結果は上出来。参加チームは各階級10選手程度だったが、笹本はアテネ五輪2位でこれまで勝ったことがないキューバの選手を、松本は2005年世界チャンピオンを破ってのメダル獲得と、それぞれ価値ある勝利を挙げた。

 笹本は「納得のいく遠征でした。決勝はこれまで2回対戦して2敗している選手相手にポイントを取ることができ、ディフェンスもできました。右ひざをけがしてしてしまったが、その割にはいい試合ができました。本番まであと1ヶ月半、グラウンドのクラッチ組むところとか、スタンドをもう少しやっていこうかなと思っています」と、手ごたえ十分の遠征を振り返った。また、国際大会で初のメダルを獲得した加藤賢三(自衛隊)は「国内ではできないいい練習ができた」と満足そだった。


 男子グレコローマン84kg級・松本慎吾(一宮運輸)「五輪前の最後の試合で、感覚をしっかりつかめました。2005年の世界チャンピオンにも勝ったし、どうすれば自分の勝ちパターンが作れるのか明確に捉えられました。課題は準決勝でリフトされてしまったこと。相手は五輪に出てない選手でしたが、リフトされてしまったのは久しぶりだったので、ディフェンス面をしっかり修正したいです。

 
同96kg級・加藤賢三(自衛隊)「なかなか日本ではできない選手と練習できた。試合では、ローリングを許してしまったので、それが課題です。グラウンドで立ちあがってエスケープしたり、乗ったりするのが得意なんで、あとはグラウンドの防御です。

 
男子フリースタイル55kg級・松永共広(ALSOK綜合警備保障)「ある程度、課題は見つかった。相手に守りに入られると、ポイントが取れないということが分かったし、押し出されたりもしたので、それに対応していきたい。試合の感覚は良くなってきている。(初めての五輪にむけて)後はやるだけなんで、楽しめたらなと思っています。

 
同66kg級・池松和彦(K−POWERS)「遠征で怪我がなくてよかった。2大会に出場したことで、いい練習になった。日本で練習してるだけでは、できない練習も積めたので。オリンピックで戦う準備は40パーセントくらい、少し休んで、次の合宿からあげていきます。

(文・撮影=増渕由気子)



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