男子は佐藤満、女子は栄和人…2012年ロンドン五輪へ向けて新強化委員長決まる【2008年11月13日】



 日本協会は11月12日、都内で理事会を開き、強化委員長を男女に分け、男子の強化委員長に佐藤満氏(専大教)、女子の強化委員長に栄和人氏(中京女大教)を決めた。任期は4年(右写真:ともに健闘を誓った佐藤=左=と栄の新強化委員長)

 高田裕司専務理事は「従来のように1人の強化委員長がすべての合宿に参加し、遠征するのは難しい。男女を分けることで責任をきちんと持ってもらう狙いもある」と、男女に分けた理由を説明。「ロンドン五輪で男子は金メダル獲得。女子は今まで以上の活躍を期待したい」と話した。

 佐藤・男子強化委員長は「4年のスパンで強化し、ロンドン五輪で24年ぶりの金メダルを取らせたい。これまでの8年間は、全日本チームのジュニア担当コーチとしてやってきた。今後も、シニアの強化だけではなくジュニアの強化にも協力したい。ジュニアから一貫した強化体制の確立も手がけたい。10年スパン、20年スパンの強化体制を考えていきたい」と新任の抱負。

 これまでも女子の強化をけん引してきた栄和人・女子強化委員長は「これまでも責任を持って強化してきたが、責任ある立場になると、今まで以上の責任感を感じる。アテネと北京で金メダルを取れたのは、福田会長、高田専務理事、富山(英明)強化委員長ほか、多くの方のアドバイスがあったから。協会と強化委員会が一丸となってこそ、金メダルが取れる。ロンドン五輪では金3個と全階級メダル獲得を目指す」と話した。

 佐藤満(さとう・みつる) 1961年12月21日生まれ、46歳。秋田県出身。秋田商高時代の79年に高校三冠王へ。80〜82年に全日本大学選手権の、81〜83年には全日本学生選手権のそれぞれフリー52kg級で優勝し、81年にはユニバーシアードでも優勝した。84年ロサンゼルス五輪出場は逃したが、85年にワールドカップで勝ち、世界選手権で銅メダル。86年アジア大会優勝、世界選手権2位、87年世界選手権3位と好成績を重ね、88年ソウル五輪で優勝した。約2年間の休養のあと現役へ復帰し、92年バルセロナ五輪に出場したが、6位に終わった。95・96年に米国へコーチ留学。00年に専大に教員として採用され、コーチを務めている。

 栄和人(さかえ・かずひと) 1960年6月19日生まれ、48歳。鹿児島県出身。鹿児島商工高時代の78年に高校三冠王を達成するとともに、3年間で106戦無敗の記録を樹立。日体大へ進み、79年に世界ジュニア選手権フリー62kg級4位、80年全日本大学選手権優勝と力をつけ、83年に全日本選手権で初優勝。世界選手権でも4位に入賞し、アジア選手権でも優勝した。84年ロサンゼルス五輪は逃したが、86年アジア大会2位、87年世界選手権3位のあと、88年ソウル五輪へ出場した(四回戦敗退)。全日本選手権は計6度優勝。92年バルセロナ五輪を逃し、94年ころから女子のコーチに専念。96年から中京女大の指導を始め、坂本日登美、吉田沙保里、伊調馨、伊調千春、西牧未央の世界チャンピオンのほか、W杯チャンピオン、アジア・チャンピオンを数多く育成している。

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