【特集】笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が66kg級で再スタートし、全日本選手権の出場権獲得【2008年11月24日】



 2000年シドニー五輪からオリンピック3大会連続で出場し、2007年世界選手権グレコローマン60s級銀メダリストの笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が11月23日、全国社会人オープン選手権に出場。階級を一つ上げて66s級で優勝した(右・左下写真)

 今大会の優勝者には12月の天皇杯全日本主権の出場権が与えられることになっている。笹本は20日のエントリー締め切り(本大会と東日本学生秋季新人戦での資格獲得選手を除く)時点で、監督推薦で全日本選手権66kg級にエントリーしていた。申し込み者が出場枠(各階級16選手)を超えた時は、強化委員会で書類選考し、出場選手の調整を行う。笹本は「どうなるか分からないし、一度(社会人オープンに)出ると決めたので」と、自力で66s級の出場権を取るための復帰戦のマットだった。

 全国社会人オープン選手権にプロ選手(職業レスラー)が出るのは警視庁と自衛隊くらい。1、2回戦を快勝した笹本は、決勝戦で井沢涼(自衛隊)のがぶり返しを受けてピリオドを落とすシーンも見られたが、最後は世界2位のローリングを何度も決めてテクニカルフォールを奪い、優勝した。

 今大会は本調子とまではいかなかったようだ。マットを降りると右足を引きずりながら歩く姿があった。それでも、「足は大丈夫です。試合にも影響なしです」と言い切った。北京五輪後の進退が注目されていた笹本だが、ひとまずは階級アップで現役を続行するようだ。だが、「これからどうなるか分からない。でも(世界を)目指すなら66s級ではやらない」と、機が熟したときは60s級に戻す可能性があることをにおわせた。

(文・撮影=増渕由気子)


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