【全日本選手権優勝選手】女子59kg級・山名慧(中京女大)【2008年12月22日】



 この日開催された代々木第2体育館のお隣の代々木第1体育館で10月に開催された世界女子選手権で、4度目の世界一に輝いた正田絢子(網野クラブ)が優勝候補本命だった女子59kg級。直前の出場辞退で、混戦模様になるのは間違いなかったが、第2シードの山名慧(中京女大)が初優勝を飾った。

 正田が欠場となれば、昨年の天皇杯チャンピオンの梶田瑞華(中京女大)が抜けているように思われたが、梶田は準決勝で10月の全日本女子オープンで優勝した中田絵里子(早大)に敗退。もう一方のブロックからは山名慧(中京女子大学)が勝ち上がってきた。

 決勝は、山名がタックルから1ポイントを先制し、両者がもつれてグラウンドの展開になったが、そこで両者に2ポイントずつ入って3−2。さらに上になった山名が4−2でリードして第1ピリオドを制した。第2ピリオドは組み手争いから両者ともフェイントをかけてタックルを狙う。中田の左足へ片足タックルからテークダウンを奪った山名が2ポイント先制し、ニアフォールの体勢に追い込んでさらに3ポイントを加点。このチャンスに山名は一気にフォールを奪ってみせた。

 「正田さんに勝たなければいけないと思ってずっと練習してきた。昨日の計量で正田さんが欠場することが分かって、ちょっとショックだったのですが、気を取り直して勝つことができてよかったです」と山名は初優勝の喜びをかみしめた。


山名慧の話「いままでずっと優勝することができなかったので、ようやく優勝することができてホッとしているし、すごくうれしいです」

(取材・文=三次敏之、撮影=矢吹建夫)


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