【優勝選手特集】男子フリースタイル96kg級・小平清貴2007年1月27日】







 世界選手権男子フリースタイル96kg級代表の小平清貴(警視庁)が4連覇を達成。今大会では2004年から続く無失点記録を更新し、圧倒的な強さを見せ付けた。

 決勝の相手は国内の大会で2位が続いていた米山祥嗣(K−POWERS)ではなく、米山を準決勝で下した坂本憲蔵(日本文理大)。「決勝は米山選手だと思っていた。前の試合でクリンチになってしまったので対策を講じていた」と明かす小平の予想を裏切る形となったが、相手がだれになっても王者には関係なし。しっかりと坂本に実力の違いを知らしめ「若い選手が伸びてきているというのは楽しみです」と余裕の笑みをこぼした。

 国内無敵のチャンピオンにとって、本当の勝負の舞台は世界である。とはいえ、重量級選手にとって世界の壁はいつだって厚い。小平自身、昨年の世界選手権は初戦で敗退した。重量級の第一人者として忸怩(じくじ)たる思いがあるのは当然であろう。

 今年の目標を問われた国内不動の王者は「重量級はずっとオリンピックに出場できていません。だからフリーとグレコの96kg級と120kg級、この4階級すべてでオリンピックの出場権を獲得したい。まずは自分が出場枠を一つとって他の選手につなげたい」と自分だけでなく、重量級全体の底上げを強調した。

 オリンピックの出場権を獲得するためのポイントはどこにあるのか。小平は「一言で言うなら根性です! 厳しいのは分かっているけどそこを何としてもやりきらなくてはならない」と熱い気持ちをぶちまけていた。

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)


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