【優勝選手特集】女子63kg級・伊調馨2007年1月28日】







 女子59kg級で2年連続世界一に輝いた正田絢子(ジャパンビバレッジ)が参戦し、世界チャンピオン同士が対戦することで話題を集めた女子63kg級。受けて立つ伊調馨(中京女大)も2年ぶりの対戦を「楽しみにしていた」。その決勝は接戦となったが、伊調が「こだわった」という得意のタックルで王座を守った。

 第1ピリオドが1―0、第2ピリオドは2―1と、スコア的には苦戦した伊調は、「久しぶりにパワーのある選手と戦った」と振り返る。初めは「感じがつかめなかった」というが、あくまで自分の持ち味であるタックルで攻めていった。正田との対戦は「自分がどう攻められるかの問題」と分析。正田の固いガードをどう崩すかを考えてタックルに入った。

 第2ピリオドでの失点にも、「焦りはなかった。1点取られても1点取り返せば勝てる」と強気。一つ下の階級で世界一に輝いている正田に対しても、いつもの自信は健在だった。さらに、自分の試合前に姉の千春が48kg級で優勝する場面を見ており、「千春が優勝すると自分も勝てる気がする」と姉妹の固い絆(きずな)に顔をほころばせた。

 今後、北京五輪まで正田との対戦が予想されるが、「正田は大きな存在。お互い切磋琢磨して63kg級を盛り上げていきたい」と前向き。今回は久しぶりの対戦で反省点もあったようで、4月のジャパンビバレッジ・クイーンズカップでは正田のパワーに対応し、自分の得意パターンを活かすよう修正してくるだろう。

 そして、目標はもちろん、「千春と2人でもう一度世界選手権で金メダルを取って、北京五輪でも2人で金メダルを取る」こと。「まだまだ努力を続ける」と、2人共通の目標に向けてぬかりはない。

(文・神谷衣香、撮影・矢吹建夫)


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