【優勝選手特集】男子フリースタイル66kg級・小島豪臣2007年1月28日】







 4年連続大学王者に輝いた前年度王者の佐藤吏(早大)が2回戦で姿を消した男子フリースタイル66kg級。優勝したのは、1階級アップして約1年が経ち、12月のドーハ・アジア大会で銀メダルを取った小島豪臣(周南システム産業)。まずは順当な結果だっただろう。

 だが決勝は若い米満達弘(拓大2年)相手に意外な苦戦を強いられた。第1ピリオドは0−0後のコイントスに勝ちながらも、ポイントを奪われて落とす不覚。第2ピリオドも一時は0−2とリードされ、腰投げで辛うじて逆転できた内容。若いアジア大会銀メダリストとはいえ、さらに若い芽が伸びている現実を見せられた末の優勝だった。

 米満は準決勝でアテネ五輪5位の池松和彦を破るなど3試合に快勝して勢いに乗っていた。対して小島は初戦(2回戦)で闘うはずの相手が負傷で棄権したため、準決勝が最初の試合となり、エンジンのかかりという点で米満の方が上回っていたかもしれない。

 だが、「こうして接戦をものにしていくことで、一段と強くなるのだと思います」と、“苦戦”を楽しむような言葉が出るあたりは、アジア大会の銀メダル獲得によって選手として一回り大きくなったことがうかがえる。

 若い米満の躍進で、国内の闘いがいっそう厳しくなりそうで、それは小島の実力アップにもつながること。「負けないように頑張りたい」。アジア大会の銀メダルで浮かれてはいられない。「今年の世界選手権で、北京オリンピックの出場権を取りたい」と、次の目標に向かって全力疾走だ。

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)


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