男子グレコローマン全日本チームが合宿スタート2007年2月13日】


今年最初の全日本合宿がスタート。
95年世界2位であり、ウクライナでグレコローマンをしっかり研究した嘉戸洋・日本協会専任コーチが理詰めの指導を展開。

 天皇杯全日本選手権の1、2位を中心とした男子グレコローマンの全日本合宿が2月12日、東京・国立スポーツ科学センター(JISS)でスタートした。

 今回の合宿のテーマは「ガッツレンチ」。日本協会の嘉戸洋・専任コーチは「俵返しはどの国も研究してきており、かからなくなってきている。日本選手は元々、一部の選手を除いて俵返しは得意ではない。俵返しにこだわって練習していると、かからない選手との闘いでやることがなくなる。確実性という意味で、まずガッツレンチをマスターすることが必要」と強調し、15日までの短期間の合宿だが重点的に練習するという。

 昨年の世界選手権前からもガッツレンチのマスターに取り組ませていた。ドーハ・アジア大会で60kg級の笹本睦選手(ALSOK綜合警備保障)がガッツレンチを多用して金メダルを取ったことで、この方向性は間違っていないことが実証された。嘉戸コーチは「俵返しをやるにしても、ローリングがきちんとできたうえで狙うべき。全日本合宿では、まずガッツレンチをしっかりマスターさせたい」と言う。

 ひとくちにガッツレンチと言っても、スピードでかけるガッツレンチ、フェイントを使ってかけるガッツレンチ、連続でかけるガッツレンチ、腕でこらえられた時にハイブリッジしてかけるガッツレンチなど、さまざまな練習が必要。嘉戸コーチの理詰めの指導に選手は熱心に耳を傾け、実践してマスターに努めた。

 グレコローマンの伊藤広道ヘッドコーチは「短い期間だが、誰よりも練習したと自信を持って言えるような合宿にしてほし」と、集中を選手に求めた。

 このあと、21日から欧州遠征があるが、例年と違って若手3選手のみの参加。嘉戸コーチは「全日本王者は、12月(アジア大会)、1月(全日本選手権)と大会が続いたので、けががあれば治し、気持ちを充電させる期間とした。遠征して大会に出場させると、減量もあって強化に取り組めない。今冬は腰を落ち着けて練習させたい」と、その意味を説明。心身をリフレッシュさせたあと、3月下旬から韓国とカザフスタンに分かれて、それぞれ1ヶ月を超える長期合宿へ送り込む予定という。

相手が腕を張ってしっかりこらえてきた時には、大きくブリッジしてのガッツレンチが有効。嘉戸コーチの指導に、各選手はさっそく実践し、マスターに取り組んだ。



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