【特集】必要な全日本王者としての自覚…男子フリー74kg級・長島和幸2007年3月6日】







 昨年に続いての全日本遠征に加わったフリースタイル74kg級の長島和幸(クリナップ)は、初戦で第1、2ピリオドとも1ポイント差で敗れ、敗者復活戦へも回ることができなかった。

 第1ピリオドは首投げで3点を先制し
(右写真)、3−2とリードしながら、終了と同時にがぶり返しを決められての逆転負けだった。時計とマットの両方が見える位置にいた和久井始監督(自衛隊)によると、「時計が0になってから長島の体が回転した」とのことだが、試合の流れとしては絶対にこらえなければならないケース。

 「3点を先制したのに…。最後の集中力といい、課題のひとつ。多くの課題が見つかった。ブルガリアでの合宿の時からその克服に取り組んでいきたい」と言う。

 昨年は全日本2位の選手としての遠征帯同だったが、今年は日本の一番手としての遠征。当然、気持ちの持ち方も違わねばならない。しかし、「その自覚に欠けたかも。試合だけでなく、練習の時から『日本の代表だ』という意識を持っていれば、おのずと力がついてくるはず」と唇をかんだ。

 常連王者の小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)を破っての全日本王者でないから、そうした気持ちになれないのかもしれない。しかし、王者は王者。「もっと自覚を持たなければなりませんね」。その気持ちをいかに持つか。ブルガリア合宿での課題のひとつだろう。

 「まだ世界で勝てるだけの力がついていません」という長島は、5月にキルギスタンで予定されているアジア選手権への出場を予定し、実戦を通じて強化をはかる予定だという。この大会は、全日本選抜選手権の約1ヶ月前にあるため、全日本チャンピオンに参加は義務づけられず、出場は本人の意思に任されるという。ほとんどの階級で全日本王者の参加はなさそうな雰囲気だ。

 しかし長島は「試合をやって結果を出さなければ、自信はついてこない。試合で勝つための練習をやるためにも、出たいと思います」と力をこめる。今回1試合しかできなかったうっぷんを、まずアジア選手権で晴らし、6月の全日本選抜選手権へ挑むことになりそうだ。


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