【特集】W杯王者・甲斐のくせを読んで初の栄冠…51kg級・柴田瑞穂【2007年4月15日】







 全日本選手権優勝の服部担子(中京女大大学院)が体調不良のため欠場した51kg級は、全日本選手権3位の柴田瑞穂(中京女大)が決勝で同2位の甲斐友梨(K-POWERS)を下し、初優勝を飾った。

 世界選手権の出場をかけて、服部と6月にプレーオフを行うが、プレーオフの出場権が与えられている2年連続世界一の坂本日登美(自衛隊)が出場を宣言すれば、三者でのプレーオフになる。世界へのスタートラインに立つにはまだ厳しい壁が残っているが、初の全日本レベル大会の優勝に、柴田の表情は明るい。

 柴田は準決勝で昨年の世界学生選手権で2位に入った栄友梨(中京女大)を下して勢いに乗った。決勝の相手となった甲斐は3月にロシアで行われた女子ワールドカップに48s級で出場して3戦全勝。2005年世界チャンピオンの任雪層(レン・シュセン)から金星を挙げるなど調子を上げていた。

 実力伯仲の一戦は互いの様子を伺い合う駆け引きの多い展開となり、それぞれが1ピリオドずつ奪って最終ラウンドを迎えた。決め手を欠きながらも粘り強く戦った柴田は「タックルをした後、後ろに下がる」という甲斐のくせを読んでバックに回り、ポイントを奪取。悲願の日本一に輝いた。

 シニアの大会で初めて頂点に立った柴田は「今日は担子さんもいなかったし、友梨さんにも全力で戦えるチャンスだったので勝てて本当にうれしい。プレーオフがどうなるか分からないけど世界選手権に出場したいと思います」、と初のワールドデビューに思いを馳せていた。

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)


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