【特集】打倒世界3位果たすも、「自分の力で世界3位を」…67kg級・新海真美【2007年4月15日】







 1月末の天皇杯全日本選手権で高校生チャンピオンに輝いた井上佳子(中京女大)が準決勝(初戦)で敗退した67kg級は、もうひとつの準決勝、昨年世界3位の坂本襟(ワァークスジャパン)と前世界ジュニア選手権優勝の新海真美(中京女大)の対戦に注目が集まり、これを制した新海が決勝も勝って初優勝した。

 坂本は1回戦からの出場で、石井千恵(ハッスル)とフルラウンドの大激戦。世界3位の実力を発揮して最後は勝利したが、毎日、中京女大で練習をともにする新海の目には、「いつもより調子が悪い」と映っていた。それが自信になったのか、ピリオドスコア1−1で迎えた第3ピリオド、坂本を崩して場外へ出し、最後はタックルで仕留めた。

 勝利者インタビューで「今日、スカっとした技は?」と聞かれ、「(相手を)押し出したところです」と答えてマスコミ陣を笑わせたが、「自分のレスリングは、前に、前にと出て動き回ること」と言い切り、このスタイルで世界のマットでも貫くつもりだ。

 「世界3位の襟先輩に勝てたから、今の自分に世界3位の実力があるとは思えません。自分が闘って3位にならないと…」と話し、自分の実力を早く世界で試したい様子。そのためにも、全日本選手権を制した井上とのプレーオフは負けられない。前に出るレスリングで世界デビューのキップをもぎ取れるか?

 この4月からは大学4年生。来年以降の競技生活は未定で、「まずは大学の4年間、しっかりレスリングを頑張ると決めている」という。学生最後の年に、国内のシニア・タイトルを初制覇する幸先いいスタートを切った。その勢いで、世界デビューを果たし、学生時代の集大成を見せられるか注目だ。

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)


《iモード=前ページへ戻る》

《前ページに戻る》