【特集】五輪実施階級ではないが、世界一を目指す…59kg級・山名慧【2007年4月15日】







 世界女王の正田絢子(ジャパンビバレッジ)が五輪階級の63kg級に階級アップし、1月の天皇杯全日本選手権は西牧未央(中京女大)が制した59kg級。西牧が負傷のために棄権し、全日本選手権2位の山名慧(中京女大)が実績どおりの実力を発揮して優勝した。

 1回戦は失点が見られ、完璧な内容ではなかったが、「初戦はいつも緊張してしまうので、(最初から)あわてずに4分間戦おうと思っていました」と作戦通りの展開だった。

 初戦の緊張から開放された準決勝と決勝では本来の動きを見せて快勝。特に決勝戦は第1ピリオドで鮮やかなフォール勝ちを収め、大会初優勝に自ら花を添えた。これで6月のプレーオフで西牧と対戦する権利を得た。西牧は吉田沙保里と肩を並べるほどジュニアから注目されている選手。西牧を意識してか、今日の試合内容でも「100点満点はあげられない。この試合は通過点にすぎないから」と、気を引き締めた。

 西牧との実力差についても「差はほとんどない。ただ、西牧選手は試合経験が抱負なので、試合になると差が出てしまう」とキャリア面で劣っていると分析した。これはプレーオフが行われる6月までに「練習でカバーします」と前向きに語った。

 今大会は五輪実施階級のエントリー数が増え、代表選考がし烈を極めたが、山名は55kg級にも63kg級にも階級を変更しなかった。「中京女大に入学した時、世界チャンピオンになることを目標に掲げました。まずは世界選手権で優勝することです」と、山本聖子、正田絢子に続く59kg級での世界チャンピオンを目指すことを宣言した。

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)


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