【特集】スーパー3姉妹の長女・坂上嘉津季、エリート合宿出身の“エリート”になれるか【2007年5月5日】







 5月3日から東伊豆稲取で行われている「全国少年少女中学女子エリート合宿」。女子は小学校5年生〜中学校3年生までの全国チャンピオンが参加対象となっている。その合宿の主将を務めるのは、4月の「ジャパンビバレッジクイーンズカップ2007」のスクールガール44kg級優勝の坂上嘉津季(さかがみ・かつき=千葉・小玉ジュニア)。現在は中学3年生で、2004年アテネ五輪での日本勢の活躍にあこがれてレスリングが好きになった選手だ。

 小学校ではバスケットボール部に所属。水泳教室などにも通ったが、「いろいろやったけど、一番好きだったのはレスリングだったから、他は辞めました」と、中学からはレスリング一本に絞ってトレーニングの日々に明け暮れている。

 そんな彼女には2人の妹がいる。中学校1年生の惟央璃(いおり)と小学校6年生の楓舞希(ふぶき)。惟央璃は「クイーンズカップ」のスクールガール34kg級、楓舞希はキッズ小学5・6年28kg級でそれぞれチャンピオンになり、3人そろって大会Vを成し遂げたスーパー3姉妹の長女だ
(右写真=左から次女・惟央璃、長女・嘉津季、三女・楓舞希)

 現在の女子レスリングでも伊調千春・馨、坂本日登美・真喜子と姉妹そろって活躍している選手がいる。姉妹の中で切磋琢磨し、坂本姉妹は2005年に姉妹同時に世界選手権の日本代表となり、伊調姉妹は2003・06年にそろって世界女王に輝いた。坂上3姉妹もそれぞれの活躍が、励みに、時には刺激になっている。

 「クイーンズカップ」でダントツの成績で優勝して優秀選手賞も受賞した長姉は、「クイーンズカップ」ではどうしても負けられない理由があった。「2人の妹が自分の決勝前に優勝を決めていたんです。1人だけ負けるのは嫌でした」と、決勝戦は姉のプライドをかけた闘いだったようだ。特に末っ子の楓舞希は大会連覇の経験もあり、「妹には負けられない」という気持ちにかられるようだ。

 坂上があこがれる選手―、それはアシスタントコーチとして合宿に参加した坂本日登美(自衛隊)だ。「優しくて強くてかっこいいです。日登美選手が参加すると分かったときはうれしかったです」と目を輝かせ、スパーリングでは世界V4の技を直伝してもらったようだ。

 今年の「クイーンズカップ」の決勝戦は、選手入場時に音楽をかけたり、周りの照明を落としたりと凝った演出の中行われた。「(テレビ放映時間の関係で)シニアの決勝戦後に、自分の試合があったので、直接試合は見られませんでしたが、ビデオで何度も見ました。演出とかが超かっこよかったです」と日本テレビの演出に感動したようだ。

 中学校3年生の坂上は、あと2年で世界ジュニア選手権に参加できる年齢に達する。「今回の合宿に参加している中から確実に世界のトップを獲る選手が出てくる」(藤川健治コーチ)というエリート合宿に2年連続で参加した坂上が、同合宿から世界ではばたく選手第1号となれるか
(左写真=エリート合宿の朝練習で、作田勝広コーチ=自衛隊=の指導を受ける坂上嘉津季)


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