齋藤将士(警視庁)が金メダル獲得…アジア選手権第2日【2007年5月9日】







 2007年アジア選手権第2日は5月9日、キルギス・ビシュケクで男子フリースタイル4階級が行われ、55kg級の齋藤将士(警視庁=右写真)が決勝へ進出。アセット・セリクバエフ(カザフスタン)に第1ピリオドを先制されながら、第2、3ピリオドを取り返し、金メダルを獲得した。昨年の大会の銅メダルに続く快挙。初戦(2回戦)でリー・ウーユ(韓国)、準決勝で2006年世界ジュニア選手権2位のアッバス・ダバキ・スーラキ(イラン)を、とも2−1で勝って決勝へ進んだ。

 アジア選手権で日本の男子選手が優勝したのは、2004年大会のフリースタイル66kg級の池松和彦以来。フリースタイルの最軽量級での優勝となると、1979年大会の入江隆(当時48kg級)以来となる。

 66kg級の池松和彦(K-POWERS)は1回戦で2006年ドーハ・アジア大会3位のクマール・スシル(インド)に逆転のフォール負け。敗者復活戦へ回ってトルクメニスタン選手を下したものの、3位決定戦ではバヤルキュー(モンゴル)に0−2で敗れ、5位に終わった。

 84kg級の松本真也(警視庁)と120kg級の田中章仁(FEG)は、ともに初戦で敗れ、敗者復活戦へも回れなかった。

 各選手の成績は下記の通り。


※タイム、スコアは非公式

 ◎男子フリースタイル

 
【55kg級】齋藤将士(警視庁)   優勝=13選手出場

【2回戦第2P】0−1とされた斎藤(赤)は体を入れ替え1−1。 【2回戦第3P】勝利目指して必死に攻める斎藤(赤) 【準決勝第2P】がぶりからエビ固めでフォールを狙う斎藤(青)。 【準決勝第3P】外無双で3−0のあと、グラウンドで加点。

1回戦  BYE

2回戦 ○[2−1(0-3=2:02,@L-1,2-0=2:08)] Lee Woo-Ju(韓国)

 《経過》第1ピリオドは0−0。コイントスで負けた齋藤は持ち上げられて3失点。第2ピリオドは中盤、両者がもつれた末にバックを取られてしまった齋藤だが、うまい身のこなしで逆にバックへ回り1−1。ラストポイントで齋藤がこのピリオドを取った。

 第3ピリオドは0−0となり、コイントスで勝った齋藤が、体勢が崩れてしまったものの、うまく体を預けて2点を取り、勝負を決めた。

準決勝 ○[2−1(1-5,5-0,TF7-0=0:56)] Souraki Abbas Dabbaghi(イラン)

 《経過》第1ピリオド、タックルへ行った齋藤だが回りこまれて1失点。腕を取られてニアフォールを2度奪われ0−5とされ、最後に1点を返したが及ばなかった。第2ピリオドは齋藤が相手のタックルをがぶってバックを取り、エビ固めでニアフォールへ。場外でブレークとなったが、さらに2点を加え、5−0とした。

 第3ピリオドは前半に齋藤が外無双で3点を取り、グラウンドでニアフォールに2度追い込み、7−0としてテクニカルフォールを決めた。

決 勝 ○[2−1(1-4,3-0,1-0=2:03)] Asset Serikbayev(カザフスタン)

 《経過》第1ピリオド、開始早々にタックルを仕掛けた斎藤。ぶらさがりの一本背負いのような感じで見事に返され3点を失い、5秒以上押さえ込まれて0−4へ。最後に1点を返したが及ばなかった。第2ピリオドは相手を崩し、一気にニアフォールへ。3−0とし、そのままのスコアで終了。

 第3ピリオドは斎藤が常に攻めたが、お互いにポイントがなく、0−0でコイントスへ。勝った斎藤が場外へ押し出し、値千金の1点を取った。

【決勝第1P】果敢にタックルにいった齋藤(赤)だが、見事に返され、フォール負けのピンチへ。 【決勝第2P】相手を崩し、一気にフォールへ狙う齋藤(赤)。 【決勝第3P】必死に攻めた齋藤だが、ポイントは0−0。
【決勝第3P】コイントスで勝ち、こん身の力をこめてタックル。 【決勝第3P】場外へ押し出し、勝利の雄たけびをあげた。 【決勝第3P】カメラに向かってガッツポーズ! 【表彰式】3年ぶりにメーンポールへ日の丸が揚がった。

 【66kg級】池松和彦(K-POWERS)    5位=14選手出場

【1回戦第2P】がぶった池松は下からの巻きで不覚のフォール負け。
【敗復戦第1P】グラウンド技がさえて、池松(赤)が圧勝。

1回戦 ●[フォール、2P1:27(1-0,F0-3)] Kumar Sushil(インド)

 《経過》第1ピリオド、ラスト20秒に池松が相手を引き落として1点を取り、1−0で勝利。第2ピリオド、相手のタックルをがぶった池松だが、相手は下の位置から巻いて池松をニアフォールへ追い込む。腕をがっちり決められていた池松は逃げられずにフォール負け。

敗者復活戦 ○[2−0(3-0,3-0)] Meylis Ovezgeldyyev(トルクメニスタン)

 《経過》第1ピリオド、池松が正面タックルで一気にニアフォールを奪い、5秒ルールで1点を加えて3−0。第2ピリオドはタックルから横崩しでポイントを挙げ、3−0で勝った。

3位決定戦 ●[0−2(0-4,0-3)] Bayarkhuu(モンゴル)

 《経過》第1ピリオド、1点を先制された池松は、がぶられた状態から巻いたものの、相手にポイントが入って0−3。さらに1点を取られた。第2ピリオドも調子が出ず、1点を3度取られて敗れた。

【三決戦第2P】タックルで攻めた池松(青)だが、体を入れ替えられ1失点。 【三決戦第2P】力を出し切ることができず、メダルを逃した。

 【84kg級】松本真也(警視庁)   11選手出場

【1回戦第2P】3−3のあとタックルへ行った松本(赤)だが…。

1回戦 ●[0−2(0-1,5-6)] Lee Du-Soo(韓国)

 《経過》第1ピリオド、松本は中盤に相手のくぐりタックルを受けてしまい、0−1。第2ピリオド、タックルで0−1とされた松本はすぐにタックルで1点を取り、ローリングで3−1とした。しかし中盤、がぶり返しを受けてしまい3−3へ。勝負をかけたタックルは返されて3−5。しかし体を入れ替えてニアフォールを奪って5−5。立ち上がったところを場外へ出されて1点を失い、5−6へ。残り26秒で逆転できなかった。


 【120kg級】田中章仁(FEG)   10選手出場

【2回戦第2P】得意の飛行機投げを狙う田中(青)だが空を切った。

1回戦  BYE

2回戦 ●[0−2(0-1,1-2)] Lee Se-Hyung(韓国)

 《経過》第1ピリオドは0−0で試合が進み、田中が一本背負いで勝負をかけたが決まらず、バックへ回られて0−1。第2ピリオド序盤、タックルへいってがぶられた田中は、がぶり返しを受けてしまって0−2。タックルで1点を返したものの、追いつくことができなかった。



《iモード=前ページへ戻る》

《前ページに戻る》