【特集】「出場した価値はあった」という5位…男子フリー66kg級・池松和彦【2007年5月10日】








 過去3度のアジア選手権では、いずれもメダルを獲得していた男子フリースタイル66kg級の池松和彦(K−POWERS)が、敗者復活戦を経て進んだ3位決定戦でモンゴル選手に完敗。メダルを手にすることができなかった。

 1回戦で、ドーハ・アジア大会銅メダルのクマール・スシル(インド)に不覚のフォール負け。レフェリーがジャッジやチェアマンに確認することなく独断でフォールをとったというおかしな判定だったが、これへの不満の声はなし。「パワーがある選手です。いなされただけで、フラフラさせられてしまった」と、相手の地力を認めた
(右写真=序盤は順調だったスシル戦だったが…)

 「やっぱり体がきついですね。体力の衰えというより、単純に練習不足なんじゃないかな、と思います。フェイントをかけたりして、相手をバテさせて攻めるのが自分のレスリングなのに、自分の方が先にバテてしまうんですよ」。以前とはすべての面で違っている。これらの問題とどう闘うかが、ベテランの域に入ってきた池松の今後の課題だろう。

 他に感じたことは、「点の取り方が雑なこと」。今回は相手の脚にさわることもできないタックルが多く、これでは駄目だという。数は少なくても、確実にポイントを取れるようなタックルを心がけたいという。

 ただ、明治乳業杯選抜選手権の1ヶ月前であるにもかかわらず、出場しただけの価値はあったと振り返る。「日本にいての1週間の練習より、3試合ですけど実戦を経験できたのは、大きなプラスです」。この経験をどう生かすことができるか。

 「日本に帰って、練習できるのは実質3週間。休んではいられない。とにかく選抜選手権まで突っ走ります」。貴重な経験を積んだアテネ五輪代表は、果たしてよみがえることができるか。


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