【特集】チーム最年少の奮戦も初戦黒星…男子グレコ74kg級・倉谷修平(日体大)【2007年5月14日】







 両スタイルでチーム最年少、男子グレコローマン74kg級の倉谷修平(日体大)は、初戦で昨年のアジア・ジュニア選手権3位のウズベキスタン選手に敗れ、敗者復活戦に回ることもなく大会を終えた。

 昨年の世界ジュニア選手権に出場しているが、シニアの大会は初の出場。どちらの大会も試合前は国際大会特有の緊張はあったそうだが、試合が始まってしまえば「関係ない。日本の試合と同じだった」と、その影響はなし。「日本ではローリング中心に攻めている。その力が世界で通用するかどうかがテーマ」だった。

 そのローリングは、1度は決めることができたが、その前に2度回されていて
(右写真=第1ピリオド、最初のローリング)、追いつくことができなかった。「力で(回されたのでは)ない。日本では経験したことのないうまさ」という仕掛けだった。それを体験できただけでも、収穫はあっただろう。

 高校(山梨・韮崎工高)へ進んでからレスリングを始め、最後の年に国体グレコローマンの王者へ。昨年はJOC杯ジュニアオリンピックで優勝し、10月の国体で3位、今年1月の天皇杯全日本選手権で3位など、伸び盛りの選手だ。

 韮崎工高出身で伸び盛りの選手といえば、フリースタイル66kg級の米満達弘選手(拓大)がいる。米満は全日本2位になって冬の欧州遠征に抜てきされ、ダン・コロフ国際大会(トルコ)で銀メダルを取っているので、“出世レース”にやや遅れた感じ。

 しかし「刺激はされているが、先を越された、という気持ちはない」とライバル意識を見せるでもなく、自分は自分で着実に実力をつけていきたい姿勢を示した。

 日体大にはグレコローマン74kg級の選手が多いそうで、他にもOBに岩崎裕樹(銀水荘=2005年世界選手権代表)、1階級上の“絶対王者”松本慎吾(一宮運輸)がいて 練習相手には事欠かない。「世界とは力の差があることが分かった。日本へ帰って、もっとしっかり練習したい。スタンドでポイントを取れるようにしたい」。チーム最年少選手の世界への挑戦は始まったばかりだ。


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