キルギスを迎え男子の全日本合宿がスタート【2007年6月19日】



日本協会の福田富昭会長が姿を見せ、選手を激励した。 キルギス選手が加わったグレコローマン。日本代表選手も対抗意識を燃やし、いつもの合宿よりも熱気がこもった。
1階級上の世界2位選手に積極的に挑んだ笹本睦選手。 フリースタイルは和田コーチによる技術指導が中心の練習。 両スタイルの日本代表14選手が勢ぞろいした全日本合宿。

 男子の世界選手権(9月17〜23日、アゼルバイジャン・バクー)の代表14選手を中心にした男子の全日本チームの合宿が6月18日、東京・国立スポーツ科学センター(JISS)でスタート。代表選手のうち10選手は9月までJISSに泊まり込んで練習に専念する通称「100日合宿」に突入した。

 この日、キルギスのグレコローマン選手8人(コーチ2人)が来日し、練習に加わった。キルギスのグレコローマンは、昨年の世界選手権で66kg級のカナトベク・ベガリエフが2位に入り、先月に地元で開催されたアジア選手権では2選手が優勝するなど近年急速に力を伸ばしてきた。しかし、かつて強豪を多く輩出した日本のレスリングを学びたいとして日本での練習を希望し、今回実現した。

 練習のスタートには日本協会の福田富昭会長が姿を見せ、キルギス選手を歓迎。「北京オリンピックへ向けてこれからが勝負だ」と選手を激励。富山英明強化委員長(日大教)が「代表になって選手には『おめでとう』と言いたいが、これからの方が厳しくなる」と手綱を締めた。

 練習が始まると、グレコローマン60kg級の笹本睦選手(ALSOK綜合警備保障)がベガリエフ(前述)に積極的に練習を挑んだ。「階級は関係ない。強い選手と闘い、やられてこそ体で覚える。キルギス選手は、きょう来日したばかりで、まだ全力を出していない。帰国するまでに、本気にならせたい」と闘志を見せた。

 同84kg級の松本慎吾(一宮運輸)は、今回来日した同階級のヤナルベク・ケンジエフはアテネ五輪で豪快に俵返しで投げた選手であり、「眼中にありません」ときっぱり。7月2日から笹本選手と2人で行うグルジア遠征に思いはせ、「痛めた右ひざをしっかり治してグルジア遠征を迎えたい」と話した。

 フリースタイルは和田貴広コーチ(日本協会専任コーチ)を中心に技術の再確認を行った。激戦を勝ち抜いて日本代表に返り咲いた55kg級の松永共広(ALSOK綜合警備保障)、60kg級の湯元健一(日体大助手)の両選手は、これまでの全日本合宿ではライバルの目があって持っている技をすべて試すことができない面があったが、「もうその必要はない。すべてを練習にぶつける」と話し、世界選手権を見据えた。

 合宿は24日まで。キルギス・チームは30日まで滞在し、100日合宿参加者と練習を続ける。




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