【特集】相手のミスにも助けられ薄氷を踏む思いで優勝…男子42kg級・杉山雄介【2007年6月25日】







 男子42kg級は、昨年38kg級で3位だった杉山雄介(静岡・三島南2年)が同1位だった有元伸吾(大阪・三国2年)と対戦。杉山が有元を破り、有元の2連覇を阻んで優勝した。

 ピリオドスコア1−1のあとの第3ピリオド。なかなかポイントが取れない接戦となったが、ラスト30秒ごろに有元のタックルが決まり、杉山が場外に出されたかに見えた。しかし、有元の足が相撲でいう勇み足になって先に場外に出たため、杉山に1点が入った。

 ところがその直後、有元の必死の反撃の前にバックを奪われ1−1へ。このままならラストポイントで負けてしまう。しかし、有元のバランスの崩れを見逃さなかった杉山はうまく体を預けてニアフォールを奪い3−1へ。最後にバックを取り返されたが、スコアは3−2へ。ビデオチェックの結果、当初の判定どおり杉本の手が上がった(右写真:大接戦は杉山=青=の勝利)

 相手のミスに助けられた面の強い優勝で、本人も「最後は負けたかと思った」と振り返ったほどだが、「有元選手を目標にこの1年間やってきた。勝ててよかった」と涙声で振り返った。自身は右利きで、左利きの有元とはけんか四つになり、「練習でやったことがないタイプ。パワーもあったし、本当にきつかった」と言う。

 しかし、この内容の優勝では満足できない。気を取り直すと、「タックルができなかった。来年までにもっとタックルができるようになり、攻撃して優勝できる選手になりたい」と結び、来年の2連覇を誓った。

(撮影=矢吹建夫)


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