【特集】一戦一戦の積み重ねで3連覇達成…女子41kg級・阿部千波【2007年6月25日】







 女子41kg級へ上げた阿部千波(茨城・水戸二3年)が3試合で失ポイントなしの優勝を達成し、3年連続優勝の偉業を達成(左写真)。愛知県から応援に駆けつけてくれた水戸市スポーツ少年団の先輩で、同じ3連覇を達成している佐藤文香さん(現愛知・至学館高)に抱きつかれて祝福されると、大粒の涙がほほを伝わった。

 決勝の増田奈干(大阪・梶2年)戦は第1ピリオド、なかなかポイントが取れずに進み、クリンチ勝負かな、と思わせる展開。しかしラスト数秒でテークダウンを取って1点を取ると、第2ピリオドも最小ポイントの1点を危なげなく守り切り、勝利を決めた。

 「第1ピリオド、クリンチ勝負になるのは嫌だったので、最後は必死にポイントを取りにいった」という。これで勢いがついたようで、「第2ピリオドは『絶対に取る』という気持ちで闘ったという。3連覇達成できた要因は「気持ちだと思います。絶対に3連覇するぞ、という気持ちを強く持てたことが一番大きかったです」と分析した。

 全国少年少女大会の時も圧倒的な強さで4連覇を達成し、光るものがあった選手。中学に進んだ最初の年から周囲には優勝候補として見つめる目があった。「1年生の時から3連覇を狙っていたの?」という問いには、「う〜ん…」と一瞬考えたあと、「試合に出る時は、どんな時でも勝つつもりで出ていましたから」と答えた。
(右写真=決勝で闘う阿部千波)

 進む高校は未定だが、このあとも世界チャンピオンと五輪チャンピオンを目指してレスリングを続ける。目標とする選手は吉田沙保里選手で、「世界で通用するあのタックルを身につけたい」という。そのために必要なことは「強くなるという心を強く持つこととヤル気。それを大切にしてやっていきたい」という。

(撮影=矢吹建夫)


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