【特集】目標は「吉田沙保里選手を倒すこと!」…女子52kg級・浜田千穂【2007年6月25日】







 1990・91年の世界チャンピオン、ゴールドキッズの成国(旧姓飯島)晶子さんの育てた浜田千穂(神奈川・橘3年)が決勝の激戦を制して女子52kg級で優勝。昨年の46kg級に続いて2年連続優勝を達成した。

 3年前に小保内夏未選手を57kg級で優勝させている成国さんだが、2連覇達成は別の思いの様子。優勝直後には「気持ちの強さがあり、素直に頑張る芯の強さがある。目標を高く持っていることが一番の要因」と涙を浮かべ、浜田を迎え入れた。

 その後もチームメートに涙、涙で祝福され、自身も涙が止まらなかった浜田は「みんなの支えがあって優勝できた。たくさん練習してきたので、こういう結果になったと思います」と、声も途切れ途切れながらもしっかりと話し、まず監督やチームメートへの感謝の気持ちを表した。
(右写真=第3Pまでもつれたが、勝って2連覇達成の浜田)

 成国代表の“言う高い目標”を具体的に聞いてみると、「ロンドン五輪で優勝すること」という答。その時の階級は55kg級。すなわち「吉田沙保里選手を倒すこと」が目標とのこと。成国代表の補足説明では、「吉田選手にはロンドン五輪までやってほしい」と口にしていたという。

 目標とする選手に、アテネ五輪のチャンピオンで連勝記録を続ける吉田沙保里選手の名前を挙げる選手は多いが、「吉田選手を倒すこと」を目標に掲げる選手も珍しい。これも成国代表の高い志(こころざし)を持たせる方針ゆえのこと。チームの選手には「全国大会も全日本選手権も通過点。目標はオリンピックの金メダルよ」と言い続けているそうで、高い目標を植え付けられた逸材の将来が期待される。
(左写真:左から58kg級優勝の菅原ひかり、41kg級優勝の阿部千波、52kg級優勝の浜田千穂。3選手は時に合同で練習するレスリング仲間)

(撮影=矢吹建夫、3選手の写真は成国晶子提供)


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