【特集】秋田から三重への“留学”が実って日本一へ…女子58kg級・菅原ひかり【2007年6月25日】







 女子58kg級は、「吉田沙保里選手のように強くなりたい」という思いから、秋田県(昭和町スポーツ少年団)から吉田選手の出身クラブの三重・一志クラブへ“留学”してレスリングに打ち込む菅原ひかり(三重・一志)が優勝。昨年の3位から日本一に駆け上がった(右写真=決勝で闘う菅原)

 昨年から今年にかけて課題としたことは「攻めることと、攻めの中にも守りを入れること」。吉田栄勝代表の教えを忠実に守ってきたが、まだタックルが思い通りにいかない部分があったそうで、その克服が来年へ向けての課題だという。

 道場のあることで有名な吉田代表の実家に下宿させてもらってのレスリング漬けの毎日。嫌でもレスリングのマットが目に入ってくる。だが、これは憧れの吉田沙保里選手が通った道でもある。

 一志クラブにお世話になりたいと、小学校6年生にして親元から離れて暮らすことを決めた。母は当初反対したという。しかし決意の固さに折れ、今では理解してくれている。この大会には秋田から祖母が応援に来てくれたそうで、「優勝するところを見せることができてよかったです」と笑った。家族と離れての生活は、「吉田さんの家族や、クラブの選手があたたかく迎えてくれるので寂しくありません」という。

 顔やスタイルが伊調馨選手にそっくりで、昨秋、中国・広州での世界選手権に吉田選手の応援に来た時は、日本の記者団の間で「伊調馨の妹じゃないの? でも、馨が末っ子だったんじゃないの?」という話題で持ちきりになったほど。実際に、よく「似ている」と言われるそうで、五輪金メダリストと似ていると言われ、悪い気はしないようだ。

 「吉田選手や伊調選手のように、オリンピックで金メダルを取りたいです」。吉田二世と言われるか、伊調馨二世と言われるかは分からないが、憧れの先輩たちと同じマットに立つ日はいつか。

(撮影=矢吹建夫)


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