アテネ五輪女子48kg級金メダリストのイリナ・メルニク(ウクライナ)が世界選手権へ出場か【2007年7月28日】







 本ホームページの英語ページを執筆しているチェコ・プラハ在住のビル・メイ記者(前日本協会広報委員、前国士大コーチ)の得た情報によると、アテネ五輪の女子48kg級で金メダルを取り、出産のため昨年は戦列を離れたイリナ・メルニク(25歳、ウクライナ=
右写真)がマットに戻り、今年の世界選手権と来年の北京オリンピックを目指してかなりハードな練習を積んでいるという。

 現在、チェコで8ヶ国から約50選手が参加して女子の合同合宿が行われているが、オーストリアのビタリー・マルコテンコ・コーチ(ウクライナ出身)が明かした。

 メルニクは昨年12月に帝王切開で第一子を産んだあと、ことしの春にはマットに復帰。オーストリアがキエフへ遠征して合宿した際にはかなりハードなトレーニングをしていたとのこと。出産を機に現役引退も考えられたが、北京五輪で連覇を目指すことが確実となった。この合宿には東欧の数ヶ国が参加しており、旧ソ連圏ではメルニクの現役復帰は既定のこととしてとらえられていたようだ。

 メルニクはカデットとジュニアの世界チャンピオンを経て2000年にシニア46kg級で初の世界一へ。その後、出場した2度の世界選手権で優勝し、04年アテネ五輪では決勝で伊調千春(当時中京女大)を破って金メダルを獲得した。05年世界選手権も優勝が予想されたが、決勝で任雪層(中国)に逆転フォール負け。昨年は出産のためマットを離れた。

 現在、ウクライナの同級には、2005年に51kg級で世界ジュニア・チャンピオンとなり、48kg級で北京五輪を目指すことが予想されるアレクサンドラ・コウト、2005年に48kg級で世界ジュニア・チャンピオンとなり、昨年4月の欧州選手権で優勝しながらドーピング違反で失格となり、出場停止処分中のマリア・スタドニクの2人の有望若手選手がいる。

 スタドニクはまだ処分中で、今年の世界選手権のウクライナ代表はメルニクとコウトの争いとなりそうだが、来年の北京五輪はスタドニクを含めた三つ巴の争いとなることが予想される。若手有望株を振り切って北京のマットに立てるか。“ウクライナ版・谷亮子”の動向が注目される。


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