【特集】ライバルを倒してインターハイV逸の雪辱…120kg級・増田拓也(千葉・佐倉南)【2007年8月20日】
全国高校生グレコローマン選手権の最重量級(120kg級の頂点に立ったのは増田拓也(千葉・佐倉南=右写真)。インターハイ優勝を逃した全国高校選抜王者は「素直にうれしい。練習してきたことが試合に出せた」と大粒の汗をぬぐった。
3月の全国高校選抜大会でチャンピオンに輝きながら、当然優勝するつもりで出場した今月初めの佐賀インターハイでは、まさかの2位。試合直後はショックを受けた様子だったというが、これで持ち前の負けん気に火がついた。「練習を絶対に休まないのが自分のいいところ」という増田は、インターハイ翌日からトレーニングを再開。ローリングの練習を繰り返し、「負けた相手には必ずリベンジする。練習した技を試合で出す」と意気込んで大阪入りした。
雪辱の機会が訪れたのは準々決勝だった。インターハイで優勝をさらわれた森内翔馬(茨城・霞ヶ浦)には計画通りにローリングをさく裂させてストレート勝ち。決勝は、全国高校選抜大会の決勝で闘った谷田昇大(奈良・大和広陵)を何度も転がしてポイントを重ねた。
レスリングを始めたのは高校に入ってからだ。国際審判員も務める斎藤修監督に誘われてバレーボールからレスリングに転向した。身長は175pと最重量級選手としては決して大きくはないが、「高校生でトップクラスの筋力がありながら、軽量級選手と同じような動きができる」(斎藤監督)のが大きな魅力。バレーボールで培った俊敏さとジャンプ力がレスリングでも大いに役立った。
中学時代は体重80sだった元バレーボール少年は、今や110sを超える立派な重量級レスラーとなった。来春になれば高校は卒業。大学に進学後も続ける決意を固めている。そのためにも、まずは10月の秋田国体を制して3冠を獲得するのが当面の目標だ。
あこがれのレスラーは、「一つ一つの動きの力強さがすごい」というフリースタイル120s級全日本王者の田中章仁選手(FEG)。尊敬するチャンピオンに少しでも近づくため、これからもトレーニングに没頭する日々が続くだろう。
(文・撮影=渋谷淳)
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