【特集】五輪代表の横山秀和ら秋田勢が2階級制覇! 最高の形でグレコローマンにつなぐ【2007年10月7日】







 秋田が2階級制覇! 10月5〜6日に行われた秋田わか杉国体のレスリング競技・成年フリースタイル男子は秋田勢が96kg級と120kg級で優勝、84kg級で準優勝、74kg級で3位と出場階級すべてで入賞。少年男子は優勝なしに終わったが成年の部では地元・秋田勢の活躍で大いに盛り上がった。

■横山先生、全試合絶好調! 復帰戦で優勝飾る

 96kg級の横山秀和(秋田・秋田商高教=
左写真)が地の利を生かし、復帰戦で優勝を飾った。会場となった秋田周辺広域市町村圏五城目体育館は、横山が高校生時に東北大会の会場として使われていた。そんな思い入れのある会場での国体。会場からの大きな声援を力に変えて戦った。

 試合はすべてアンクルホールドで決めた。「特に体重を増やすようなことはしなかった」と84kg級時と同じ調整で試合に臨んだにもかかわらず、96kg級の選手をものともせずバックを獲ると、そこからは“横山ワールド”全開。「得意技のアンクルホールドをできる限り出したかった」と最初から作戦は決まっていた。そして面白いようによくかかった。「相手が警戒してもかかるような技術を修得しています」。2度の五輪を経験してきた横山ならではの重みのある言葉だった。

 決勝戦は不戦勝で優勝が決定した。伸び盛りで全日本トップクラスの磯川孝生(山口県協会)との対決が事実上流れてしまったことに「やりたかった」ともらした。「アテネ五輪の国内選考会でも磯川選手と争いましたから。(3年前より)どれくらい伸びているのかやりたかったですね」。そのもどかしい気持ちは、12月の天皇杯全日本選手権出場につながるかと思ったが、「天皇杯は指導者として」と現役続行の意思は示さなかった。

 36歳で迎えた地元・秋田で国体制覇――。国体の開会式で選手宣誓を行った秋田県のスーパーヒーローが県民の期待に、優勝という二文字で応えた。

■フリースタイルの最終戦は吉田が連覇で締める

 決勝戦が不戦勝に終わったことで、会場は盛り上がりつつも、どこかすっきりしない部分があった。それをぬぐいさったのが、120kg級の吉田清太郎(秋田県市役所=
右写真)だ。決勝戦の相手は群馬の米山祥嗣(K-POWERS)。第1ピリオドは相手に優先権があるクリンチに持ち込まれ先制のチャンスを与えてつつも、うまく返して2点を奪取。

 2ピリオド目は米山の圧職に屈して場外ポイントを与えてしまったが、第3ピリオドの残り1分、片足タックルからバックを奪い1点。残り40秒にも加点して2−0。ブザーがなると手を挙げて派手にガッツポーズを見せた。

 地元の大声援が逆にプレッシャーとなったようで、「決勝戦前は逃げ出したくなるくらい緊張した」という吉田。だが、本来の力を出し切ってフリースタイルの最終戦を見事に連覇を達成するとともに、地元秋田勢の優勝で締めて見せた。

(文・撮影=久坂大樹)



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