【特集】拓大が日体大のグランドスラムを阻止! 「狙っていました」と藤本主将【2007年11月10日】









 日体大の6年ぶりのグランドスラムがかかった全日本大学選手権(10月8〜9日・岐阜・中津川市)で団体優勝を成し遂げたのは、拓大だった。昨季の三冠王者の拓大が最後の最後で日体大に一矢報いた。

 「狙っていました。リーグ戦などの団体で勝ち上がるのは、今年は厳しいと思ったけど、個人の合計得点での優勝ならいけると思っていました」と藤本浩平主将
(右写真)は優勝ありきで大会に臨んだことを告白。終わってみれば、日体大に14.5点の大差をつけての優勝。これでこの大会は2連覇を達成した。ただ、「5階級で決勝進出、3人優勝」というところまでは予想外で、うれしい誤算だったようだ。

 「僕の66s級とヨネ(74s級の米満達弘)で優勝して、あとは日体大とどう競るか」という見方をしていた藤本。自身は大会初日に優勝を果たしたが、米満は早大の大月葵斐にまさかのフォール負け。初日の得点合計が4位と出遅れ、かつ取るべき階級で優勝を逃すというミスに、「優勝」の二文字は遠ざかったに見えた。

 そこで奮起したのは重量級の伏兵たち。84s級では伊藤啓太が10月の全日本大学グレコローマン選手権(74s級)に続いて優勝。全日本学生選手権2位の山縣養一(日大)を破るなど内容もすばらしかった。96s級では藤本健治が決勝に進出し、斎川哲克(日体大)に敗れたものの得点を稼ぎ、120kg級は中村淳志が決勝戦でクリンチ勝負で粘って2年ぶり2度目の優勝を達成した
(左写真)

 「最終日の逆転劇は、正直、予想していませんでした」と苦笑いを浮かべた藤本主将。去年の拓大は三冠を達成し、史上最強チームだった。その翌年に主将を任されて「ほんとに荷が重かった。1つだけでもタイトルをという気持ちでやってきました」と、主将としての面目を保てたことにホッと肩をなでおろしていた。

(文・撮影=久坂大樹)



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