米国遠征の学生選抜チームが帰国【2006年2月8日】





 デーブ・シュルツ国際大会などの出場で米国へ遠征していた学生選抜チームが2月7日、帰国した。

 フリースタイル55kg級で銀メダルを獲得した稲葉泰弘(専大=
右写真の左)は、準決勝で、先月末に行われたロシア最高レベルの国際大会「ヤリギン国際大会」(ゴールデン・グランプリ)の覇者ジャマル・オタルスルタノフ(ロシア)を破っての価値ある銀メダル。しかし「決勝は勝てた試合だった。ラスト10秒での攻撃が決まっていれば…」と、喜びより悔しさの方が大きそう。昨年7月の世界ジュニア選手権(リトアニア)も銀メダルに終わっているが、「その時ほどのうれしさはない」ときっぱり。この程度の大会の銀メダルでは満足できないというどん欲さを見せた。

 「ヤリギン大会」の覇者オタルスルタノフ(ロシア)は03年の欧州カデット選手権の優勝選手なので、まだ20歳に達していない選手。「あんまり強くなかったですよ」とのことで、甘く考えてはいけないが、外国選手に引けをとらない実力があると自信をつけてほしいところだ。

 グレコローマン55kg級の長谷川恒平(青山学院大=
右写真の右)は、昨年のアジア2位の韓国選手を破ったりしての銀メダル獲得。単純に考えれば、アジア・トップ級の実力を示したことになるが、「いえ、勢いで勝ったようなものです。まだ日本国内ででも一番になっていないのですから、そんなことはありません」と控えめ。

 決勝は、逆に「勢いでもっていかれた」そうで、「国際試合のリフトは、ホイッスルがなる前に上げる。そのタイミングがつかめず、最初に上げられてしまったことが敗因だった」と振り返る。だが、貴重な経験を積んだことは間違いない。

 2人とも、3月の全日本チームの欧州遠征のメンバーに選抜されていた。ともに期待に応えた形で、「次はヨーロッパのレスリングを学んできたい」と張り切っていた。

 なお、グレコローマンのグラウンドの攻防は、2月4日に国際レスリング連盟(FILA)が公示した新ルールで実施。攻撃選手はセンターサークルに引かれた幅8センチのラインから、つま先でも出してはいけなかったそうで、「ラインを越えてはならない」というのは足全体のことではなく、「足の一部でもラインを越えてはならない」であることが判明した。



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